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『世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~』(1巻)感想・レビュー
バスごと大量転生から始まる、世界の謎が気になる探索ファンタジー

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★★★★★★★★★★3.5 / 5

会社が企画したスキー旅行のバスが、乗っていた人々ごと丸ごと異世界へ——という、転生もののお約束を大きく外した掴みから物語は始まります。とーわによるカドカワBOOKSの異世界転生ファンタジー、シリーズ第1巻です。予備知識なしで読み始めても、後方支援に特化した主人公の立ち位置と、まだ見えてこない世界の仕組みが気になって、気づけばページが進んでいく一冊でした。

総合評価 ★3.5|転生もののテンプレを少し外した掴みと、先が気になる世界観で、肩の力を抜いて楽しめる導入巻です。

目次

『世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~』はどんな作品?

元社畜のアリヒトが異世界で就いた職業は「後衛」。攻撃と防御の支援に回復までこなせる万能職で、相手の後ろに位置取っていると好感度が上がっていくという独自の特性を備えています。前線で剣を振るうのではなく、仲間を後ろから支えることで力を発揮していく主人公が、迷宮国の探索者としての序列を一歩ずつ駆け上がっていく物語です。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~からどうぞ。

向いている人

テンプレを外した転生の掴みを楽しみたい人

バスに乗った人々がまとめて異世界へ送られ、しかも転生者の数がやたらと多い——という導入は、よくある一人だけの転生とは違うインパクトがあります。出だしの「何だこれ」という戸惑いごと楽しめる人には刺さるはずです。

後方支援型の主人公が好きな人

主人公の職業は前に出て無双する役どころではなく、仲間を支える「後衛」です。サポートに徹しながら存在感を出していくタイプの主人公が好きなら、その立ち回りを気持ちよく追えます。

世界の謎を追いかけたい人

この世界がどんな仕組みで成り立っているのか、迷宮国という舞台のルールはどうなっているのか、といった部分は1巻ではまだ多くが伏せられています。少しずつ提示される情報から世界の輪郭を想像していく楽しみがあります。

合わないかもしれない人

重厚でシリアスな転生譚を求める人

導入の状況はなかなか悲惨なのですが、語り口はどこか軽妙で、深刻一辺倒の作品ではありません。重く硬派な異世界ものを期待すると、肩透かしに感じるかもしれません。

1巻で世界観をすべて把握したい人

世界の仕組みや設定の核心は次巻以降に持ち越される部分が多く、1巻だけでは全体像がはっきりしません。謎が残ること自体を楽しめるかどうかで評価が分かれそうです。

ハーレム的な空気が苦手な人

主人公を囲むパーティは主人公以外が女性中心で、いわゆるハーレム的な雰囲気があります。そうした空気が得意でない場合は気になるかもしれません。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

正直に言うと、読み始めてしばらくは「何だこれ」と思ってしまいました。異世界転生ものは数あれど、会社が企画したスキー旅行のバスに乗ったら転生していた、という導入はかなり強烈で、しかも転生してきた人の数がやたらと多い。状況の説明があまりないことも含めて、最初は戸惑いの方が大きかったです。

ただ、その戸惑いがそのまま「この世界はいったいどうなっているんだ」という興味に変わっていくのが、この巻の面白いところでした。あらすじも表紙もろくに見ないまま手に取ったので、どんな話か分からないまま読み進めることになったのですが、結果的にはそれが良い方向に働いて、先入観なしに世界へ放り込まれる感覚を楽しめました。

その戸惑いが興味に変わっていく中で、特に気になったのが世界そのものの仕組みでした。大勢が一度に転生してくる状況や、迷宮国という舞台がどういうルールで動いているのか、まだ明かされていない部分が随所に残っています。こうした世界の枠組みを少しずつ追いかけていく楽しみが、この巻にはありました。

主人公まわりに目を向けると、パーティが主人公以外は女性で固められていて、いわゆるハーレム的な雰囲気もあります。そのあたりは好みを分けそうですが、後方支援に徹する主人公の立ち位置と合わさって、賑やかで読みやすい空気を作っていました。気づけば結構楽しく読めていて、世界観が明かされていくのを期待しながら次巻に手を伸ばしたくなる、そんな1冊です。

まとめ

バスごと大量転生という人を食ったような掴みから始まり、最後まで肩の力を抜いて楽しめた導入巻でした。後衛として仲間を支える主人公の立ち位置と、まだ全貌の見えない世界の仕組みが、続きへの期待をうまく引っ張ってくれます。重厚な転生譚というより、賑やかさと謎解きの予感を気軽に味わいたい人に向いた1冊です。世界観が解き明かされていくのを楽しみに、次巻も読んでみたいと思える作品でした。

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