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『陰の実力者になりたくて! 03』感想・レビュー
向いている人や作品の魅力を紹介

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『陰の実力者になりたくて! 03』の感想・レビューです。

3巻は、これまでの大会編やイベント戦とは少し違い、
「無法都市」を舞台にしたホラー寄りの空気が印象的な一冊でした。
吸血鬼討伐や不穏な街の雰囲気など、全体にややダークな要素はあるのですが、
シドがそこに入ることで空気が一気にこの作品らしくなります。

今回は、ホラーっぽい状況と陰の実力者ムーブの相性のよさが特に目立っていて、
怖さよりも「こういうシチュエーションを全力で楽しむ主人公が面白い」と感じる巻でした。
一方で、作品の基本にある独特のノリや、シリアス一本ではない作風は、やはり好みが分かれそうです。

「少し不穏な空気のある異世界ものが好きな人」や、
「強い主人公が特殊なシチュエーションを楽しむ作品を読みたい人」には、かなり相性のいい3巻でした。

目次

『陰の実力者になりたくて! 03』はどんな作品?

『陰の実力者になりたくて! 03』は、
クレアに誘われて訪れた「無法都市」を舞台に、始祖の吸血鬼「血の女王」の討伐や、
「最古のヴァンパイアハンター」を名乗る少女・メアリーとの出会いをきっかけに話が動いていく巻です。

無法都市には複数の勢力が存在していて、
吸血鬼や街の支配者たちに加え、シャドウガーデンも関わってくるため、
3巻はこれまで以上に、勢力が入り乱れる面白さが出ています。

全体としては、
ホラー寄りの舞台設定勘違いコメディの面白さシドの陰の実力者らしい振る舞いがうまく噛み合った一冊でした。
少し不穏な空気はありつつも、読み味としては重くなりすぎず、この作品らしい軽快さもきちんと残っています。

発売日・著者・レーベルなどの基本情報を先に確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。

向いている人

  • 少しホラーっぽい雰囲気のある作品が好きな人
    無法都市の空気や吸血鬼討伐の流れには、ほんのりとした怖さや不気味さがあります。
    ただ、強すぎるホラーではないので、重すぎないダークな雰囲気を楽しみたい人には合いやすいと思います。
  • 強い主人公が特殊な状況を楽しむ作品が好きな人
    シドは危機的な状況すら、自分にとって都合のいい舞台として楽しんでいるようなところがあります。
    そうしたズレた感覚が、この巻では特によく出ていて面白かったです。
  • 陰の実力者ムーブを見たい人
    ホラーや吸血鬼といった題材が、シドのこだわりとかなり相性がいいです。
    「こういう状況なら、この主人公はどう動くのか」を楽しみたい人には、かなり向いています。
  • 独特な街や無法地帯の設定が好きな人
    無法都市という舞台自体に雰囲気があり、普通の街とは違う危うさが感じられます。
    そういう舞台設定が好きな人も入りやすいと思います。
  • コメディ寄りでも、先の展開や設定が気になる作品が好きな人
    今回も笑える場面は多いのですが、それだけで終わらず、
    吸血鬼や始祖の血まわりの話が今後どうつながるのか気になる作りになっていました。

合わないかもしれない人

  • 主人公の陰の実力者ムーブ自体が苦手な人
    ここは3巻でも変わりません。
    作品の面白さの中心がシドの独特なこだわりにあるので、そこが合わないと楽しみにくいと思います。
  • シリアス一辺倒の異世界ファンタジーを求める人
    吸血鬼や無法都市など、設定だけ見るとかなりシリアス寄りですが、
    読み味はやはりコメディ色が強めです。重厚な雰囲気を求める人には少し違うかもしれません。
  • 本格的なホラーやゾンビものを期待する人
    ホラーっぽい空気はあるものの、恐怖を前面に押し出すタイプではありません。
    あくまでこの作品らしい味付けの中で楽しむホラー風味、という印象でした。
  • 緊張感のある接戦を重視する人
    シドがかなり強いため、バトルは苦戦を味わうというより、
    圧倒的な側がどう場を動かすかを見る面白さが前に出ています。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

『陰の実力者になりたくて! 03』の見どころは、
やはり「無法都市」という舞台そのものと、そこで展開される吸血鬼討伐の流れでした。

吸血鬼討伐の流れには、少しゾンビもののような不穏さもありましたが、
シドが入ることで重くなりすぎず、この作品らしいコメディとして読めるのがよかったです。

まず印象に残ったのは、今回の空気感です。
これまでの巻にも独特の大げささはありましたが、
3巻は無法都市という場所のおかげで、最初からかなり怪しげな印象があります。
吸血鬼、始祖、討伐依頼といった要素もあって、全体には少しホラー寄りの空気が漂っていました。

ただ、この作品はそこを重たくしすぎないのが面白いところです。
普通なら不穏になりそうな状況でも、シドが入ることで一気にこの作品らしい場になります。
怖さを楽しむというより、こういう状況をシドがどう自分好みに受け取るのかを見る面白さが強かったです。

特に良かったのは、ホラーっぽいシチュエーションが、
シドにとってはむしろ理想的な舞台装置になっているところでした。
暗い街、危険な敵、正体不明の脅威という要素は、まさに陰の実力者らしい振る舞いをするにはぴったりです。
読んでいて、「この主人公はこういう場面が本当に好きなんだろうな」と伝わってくるのが面白かったです。

また、今回は無法都市を貯金箱のように見ているシドの感覚も、この作品らしくて印象に残りました。
普通なら危険な場所として描かれる舞台を、別の意味でおいしい場所として見ているのが、かなりズレていて笑えます。
この発想のずれがあるからこそ、シリアスになりすぎず、独特の読み味が出ているのだと思います。

一方で、物語としてはただのコメディで終わるわけではなく、
吸血鬼や始祖の血、悪魔憑きとのつながりなど、今後に関わりそうな要素もきちんと入っていました。
そのため、3巻は単発のイベントとして楽しめるだけでなく、
シリーズの中で見ても意味のある巻になっていると感じます。

メアリーの存在も、今回の空気に合っていてよかったです。
無法都市や吸血鬼討伐という題材の中で、彼女の立ち位置がしっかり雰囲気を作っていて、
シド以外のキャラが場を引き締める役割も果たしていた印象があります。

全体として見ると、3巻は
ホラー風味のある舞台設定と、シドの陰の実力者ムーブの面白さがかなりうまく噛み合った巻でした。
しっかり怪しい雰囲気はあるのに、読後感は重くなりすぎず、むしろこのシリーズらしい楽しさが強く残ります。

前巻までの流れが好きだった人なら、
今回は舞台が変わったことでまた違う面白さが出ていて、続けて読みやすい一冊だと思います。
逆に、ここでもやはり作品の中心にあるのはシドの独特なノリなので、その空気感を楽しめるかどうかが大きいです。

全体としては、
少し不気味な舞台で繰り広げられる陰の実力者らしい振る舞いと、
その中にあるコメディの気持ちよさ
を楽しめる続巻でした。

3巻は、無法都市という舞台のおかげでシリーズにまた違う色が加わっていて、
読む楽しさの幅が広がったように感じました。

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