無茶な強制依頼を出した支部長をやり込めてから九十日。協会の依頼をこなしながら静かに暮らしていた蔵人だが、ある日、自分の加護を奪った勇者ハヤト・イチハラのパーティメンバーと協会で遭遇してしまう——。
『用務員さんは勇者じゃありませんので 2』は、棚花尋平によるMFブックスの異世界サバイバル作品で、2015年刊行のシリーズ第2巻です(イラスト:巖本英利)。
前巻から続いたアカリの問題に決着がつき、加護を奪った勇者との関係が一気に動く——本作の因縁が大きく前進する巻。加護を持たない主人公が、知恵と現実的な立ち回りでどう渡り合うかが読みどころです。
総合評価 ★4.0|加護を奪った勇者ハヤトとの因縁がついに動き出す重要巻。チートに頼らず知恵と立ち回りで切り抜ける、泥臭くも読み応えのある対決が描かれます。
『用務員さんは勇者じゃありませんので 2』はどんな作品?
本巻では、アカリの無実を証明するために動いていたマクシームの帰還や、村を襲う怪物の事件をきっかけに、蔵人と勇者ハヤトがついに対峙します。前巻からの伏線が回収され、シリーズの軸となる因縁が大きく動きます。
加護を奪われている主人公の戦い方は、あくまで泥臭く現実的。圧倒的な力で無双するのではなく、状況を見極めて危険を避け、知恵と駆け引きで切り抜けていく——その過程に本作ならではの読み味があります。
発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、用務員さんは勇者じゃありませんので 2からどうぞ。向いている人
チートなしの異世界サバイバルが好きな人
主人公は加護を奪われた状態のまま。圧倒的な力で無双するのではなく、知恵や状況判断で戦う展開が中心です。
泥臭い戦いの物語が好きな人
派手な戦闘というより、危険を避けながら生き延びる立ち回りや駆け引きが印象的です。
前巻からの因縁の対決が気になる人
主人公の加護を奪った勇者ハヤト・イチハラとの関係が動き出し、物語が大きく進みます。
前巻のアカリの話の続きが気になる人
1巻から続いていたアカリに関する問題にも決着がつくため、シリーズの流れとして重要な巻です。
無双より知恵で戦う主人公が好きな人
状況を見極めて行動するタイプの主人公なので、頭を使った展開が好きな人に向いています。
合わないかもしれない人
チート無双の異世界作品を求めている人
主人公は加護を持たないため、派手な無双展開はほとんどありません。
テンポの良い戦闘中心の作品が好きな人
戦闘よりも、状況判断や人間関係、立ち回りが中心のストーリーです。
明るく軽い雰囲気の異世界作品を読みたい人
本作はややシリアス寄りで、物語の空気は全体的に落ち着いた雰囲気です。
感想・見どころ
※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。
無茶な強制依頼を出した支部長をやり込めてから九十日。主人公の蔵人は、これまで通り協会の依頼をこなしながら静かに生活していました。
そんな中、協会で、自分の加護を奪った勇者ハヤト・イチハラのパーティメンバーと遭遇してしまいます。蔵人は気付かれないようその場を離れ、ハヤト本人が近くに来ていることを察して山に身を隠します。
その後、アカリの無実を証明するために動いていたマクシームが帰還。彼が連れてきた「月の女神の付き人」と呼ばれる一団や、村を襲う怪物の事件をきっかけに、蔵人と勇者ハヤトはついに対峙することになります。
本巻は、前巻から続いていたアカリの問題に決着がつく巻でもあり、同時に主人公の加護を奪った勇者との関係が大きく動く重要な巻になっています。
このシリーズを読んで感じるのは、よくある異世界作品のようにチート能力で無双する展開ではないという点です。
主人公は加護を奪われているため、戦い方はどうしても泥臭く、現実的になります。そのため人によっては派手さが足りないと感じるかもしれませんが、個人的には知恵や努力で状況を切り抜ける展開が面白く感じられました。
まとめ
2巻は、「前巻からの因縁の決着」「知恵と立ち回りで切り抜ける戦い」「シリーズの軸が大きく動く手応え」をまとめて味わえる重要巻でした。アカリの問題に区切りがつき、勇者ハヤトとの関係が前進することで、物語全体が次の段階へ進みます。
チート無双ではなく、知恵や努力で状況を切り抜ける泥臭い展開を楽しみたい人におすすめです。やや派手さに欠ける場面はあるものの、因縁が動くカタルシスとシリアスな空気が噛み合った、シリーズの流れとして外せない一冊でした。
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前巻はこちら:用務員さんは勇者じゃありませんので 1