迷宮から魔物が一気に溢れ出すスタンピードが街を襲う——ダンジョンものの定番とも言える危機が、シリーズ2巻の大きな見せ場として描かれます。とーわによるカドカワBOOKSの異世界転生探索ファンタジー、その第2巻にあたる一冊です。後方支援に徹してきた主人公アリヒトが、強化した力で仲間を支えながらこの危機に立ち向かいます。
手に汗握る戦闘に加えて、スキルとの兼ね合いを考えながら装備を選んでいく楽しさも一段と増していて、アリヒトの成長を存分に味わえる巻になっています。
総合評価 ★4.0|戦闘も装備選びも一段と楽しくなり、主人公の急成長と次巻への引きで満足感の高い2巻です。
『世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~』はどんな作品?
元社畜のアリヒトが異世界で就いた職業は、攻撃・防御の支援から回復までこなす万能職「後衛」。前線で戦うのではなく仲間を後ろから支えることで力を発揮し、迷宮国の探索者として序列を駆け上がっていくシリーズです。2巻では第八区で一位に立ったアリヒトが、さらに上の第七区を目指すなかで、迷宮から魔物が溢れ出し街を襲うという危機に直面します。
発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 2からどうぞ。向いている人
ダンジョンものの戦闘や危機の展開が好きな人
迷宮から魔物が大量に溢れ出すスタンピードへの対処が、この巻の中心的な見どころです。街を守るための戦いはしっかりと読み応えがあり、ダンジョンものらしい緊張感のあるバトルを楽しみたい人には気持ちよくハマります。
装備やスキルの組み合わせを考えるのが好きな人
この作品は装備更新の描写が楽しく、どのスキルとどの装備を噛み合わせるかを考えながら選んでいく過程に面白さがあります。キャラクターの強化を相性で味わうのが好きな人なら、戦闘以外のこうした準備パートも存分に楽しめるはずです。
主人公がぐんぐん強くなる展開が好きな人
巻を追うごとにアリヒトはできることを増やしていき、本巻ではかなり強力な力も手にします。サポート職という立ち位置を保ちつつ着実にパワーアップしていく主人公を、気持ちよく追いかけたい人に向いています。
合わないかもしれない人
主人公が一気に強くなりすぎるのが苦手な人
前巻まではまだ抑えめだった主人公の強さが、本巻で得た力によって一気に跳ね上がります。チートと言われても仕方ないほどの性能で、強さのバランスが崩れてきたように感じる場面もあり、控えめな強さを好んでいた人には気になるかもしれません。
1巻を読まずに本巻から入りたい人
2巻は世界観や人間関係が1巻から地続きで進んでいきます。設定や主人公の立ち位置を踏まえて読むほうが楽しめるので、いきなり本巻から読み始めたい人には少し入りにくく感じられるかもしれません。
感想・見どころ
※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。
この巻でまず楽しめたのは、やはり戦闘でした。ダンジョンものの定番とも言えるスタンピードが発生し、溢れ出した魔物にどう対処していくかが大きな見せ場になっています。後衛として仲間を支えるアリヒトの立ち回りも含めて、戦いの場面はなかなか盛り上がり、純粋に面白く読めました。
その戦闘を支えているのが、装備まわりの描写です。この作品は装備の更新を楽しんで読めるところがあって、手持ちのスキルとの兼ね合いを考えながら、どれを選ぶかを吟味していく過程に面白さがあります。ただ強い装備を持たせるのではなく、相性を踏まえて組み立てていく感覚があるので、戦闘前の準備からすでに楽しめました。
一方で、少し気になったのは主人公の強さのインフレです。前巻まではまだチート臭さが薄く、そこが良いと思っていたのですが、本巻で取得したスキルはチートと言われても仕方ないレベルで、正直バランスが崩壊してきている気がしました。強くなる爽快感はあるものの、これまでの絶妙な立ち位置が好きだっただけに、ここは評価の分かれそうなところだと感じます。
とはいえ、戦闘も装備選びも前巻以上に楽しめたのは確かで、読み味としては満足度の高い巻でした。そのうえ次巻が気になる終わり方をしてくれたので、続きを読みたい気持ちのまま読了できました。強くなりすぎた主人公がこの先どう描かれていくのかも含めて、次巻も楽しみにしたいと思える一冊です。
まとめ
スタンピードへの対処を軸にした戦闘と、スキルとの相性を考えながら進める装備選びが一段と楽しく、アリヒトの成長を存分に味わえる2巻でした。主人公の強さが一気に跳ね上がる点は好みが分かれそうですが、爽快な成長譚とダンジョン攻略を気軽に楽しみたい人にはよく合います。次巻が気になる引きで終わってくれるので、続きへの期待を持ったまま読み終えられる、満足感の高い一冊でした。
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