『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(1巻)感想・レビュー
ダンジョン×配信をコミカルに描く、テンポ抜群のバズ系コメディ

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★★★★★★★★★★5.0 / 5
『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(1巻)赤城大空(著)/福きつね(イラスト)/小学館・ガガガ文庫 の書影

視聴者ゼロ、登録者3人――そんな底辺お嬢様配信者が、配信を切り忘れたまま迷惑系配信者をボコり、一夜にして伝説になってしまう。『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(1巻)は、赤城大空さんによるガガガ文庫のダンジョン配信コメディ(イラスト:福きつねさん/2023年刊行)。ダンジョン探索と配信文化を掛け合わせ、陰湿さのない軽快なノリで一気に読ませる、テンポ抜群のバズ系エンタメです。

総合評価 ★5.0|ダンジョン探索と配信文化を掛け合わせ、陰湿さゼロで終始コミカルに駆け抜けるバズ系コメディ。本人だけが大まじめなお嬢様と、コメント欄・掲示板の容赦ないツッコミで、ページをめくるたびに笑わされる一冊です。

目次

『お嬢様系底辺ダンジョン配信者』はどんな作品?

世界中にダンジョンが現れてから数十年。探索の様子を配信する「ダンジョン配信」が人気を集める世界で、ドレス姿のままダンジョン攻略に挑むお嬢様系配信者・山田カリン(16歳)が本作の主人公です。けれど配信はまったく伸びず、一年たっても視聴者ゼロ、登録者3人という底辺暮らしが続いていました。

そんなある日、カリンはダンジョンの下層で、危険な鉱石を使ってダンジョンの壁を爆破しようとしている妙な男に出くわします。思わず飛びかかってボコボコにしてしまった相手は、実は若手最強の迷惑系配信者。しかもカリンは、自分の配信を切り忘れていました。お嬢様言葉の崩れた説教つきの一部始終はアホ程バズり、カリンは「チンピラお嬢様」として一夜にして時の人になってしまいます。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?からどうぞ。

向いている人

コメント欄や掲示板のツッコミで笑いたい人

配信のコメント欄と、合間に挟まる掲示板回のスレッドが、カリンの行動に次々とツッコミを入れていきます。掛け合いのようなテンポで笑いが重なっていくので、ネットの実況やまとめスレのノリが好きな人にはたまりません。

本人だけが大まじめな「ズレた主人公」が好きな人

カリンは、本気で「お優雅」な配信を目指しているお嬢様。ところが周りから見ると、やっていることはどう見ても規格外です。本人とまわりの温度差で笑わせるタイプの作品が好きな人に向いています。

ダンジョン探索×配信の組み合わせを楽しみたい人

同接(同時接続者数)、切り抜き、トレンド入りといった配信ならではの要素が、ダンジョン攻略の見せ方に効いています。VTuberや実況配信を見る人ほど、細かいネタまで楽しめます。

明るくストレスなく読めるコメディが好きな人

迷惑系配信者が出てくる話ですが、陰湿さや嫌な空気はありません。終始コミカルに転がっていくので、気軽に笑えるエンタメを探している人におすすめです。

合わないかもしれない人

下品寄りのネタが苦手な人

お嬢様ものですが、笑いは上品一辺倒ではありません。迷惑系配信者についたあだ名をはじめ、下品寄りのネタも遠慮なく飛び出します。そうした笑いが苦手な人は注意が必要です。

シリアスで緊張感のあるダンジョン攻略を求める人

探索シーンはありますが、ピリピリした緊張感よりもコミカルさが前に出ています。シビアな攻略ものを期待すると、方向性が違って感じられそうです。

配信文化やネットのノリが苦手な人

バズやコメント欄、掲示板のノリが物語の下敷きになっています。そうしたネット文化にピンとこないと、笑いどころが伝わりにくいかもしれません。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

この巻の楽しさは、大きく分けて「本人だけが大まじめなお嬢様・カリン」「コメント欄と掲示板の総ツッコミ」「お優雅(のつもり)なダンジョン攻略配信」の3つです。どれも笑いに直結していて、読み終えたときには、こんなに笑ったのは久しぶりだと思えるほどでした。

正直なところ、配信系の作品は自分には合わないだろうと思い、これまで手に取ることのなかったジャンルでした。最近VTuberの配信を見るようになり、ラノベでも一度読んでみようという軽い気持ちで選んだのがこの一冊。結果は、いい意味で予想を裏切られました。

まずはカリンのキャラクターです。本人は大まじめに「お優雅」な配信を目指しているお嬢様。それなのに、迷惑系配信者を前に怒ったとたん、お嬢様言葉が崩れてチンピラ口調の説教が飛び出します。本人が真剣であればあるほど、まわりとの温度差で笑わされるタイプの主人公で、そのズレっぷりが憎めません。

そんなカリンを支えるのが、中学からの親友・佐々木真冬です。カリンが配信をしていることを知っていた、ただひとりの相談相手で、バズに慌てるカリンに淡々と状況を説明し、次の一手まで示してくれるブレイン役。ドライな真冬と、すぐ取り乱すカリンの掛け合いも、テンポの良さを支えています。

本作の代名詞ともいえるのが、配信中のコメント欄と、合間に挟まる掲示板回です。カリンが何かするたびに、視聴者が次々とツッコミを入れていきます。どの書き込みも言葉選びが絶妙で、ネットの実況やまとめスレを読んでいるようなテンポのまま、気づけば声を出して笑っていました。掲示板回は1冊のなかに何度も挟まるので、このノリが好きな人には何度もおいしい構成です。

そして本題のダンジョン攻略配信。カリンが目指すのはあくまで「お優雅」な攻略ですが、その中身はお嬢様らしさとはかけ離れたもの。何がどう「お優雅」なのかは、ぜひ本で確かめてみてください。攻略が進むほどコメント欄の驚き方もエスカレートしていき、最後まで笑いっぱなしでした。

配信系は苦手と思い込んでいた自分の印象を、完全にひっくり返してくれた一冊です。

まとめ

『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(1巻)は、ダンジョン探索と配信文化を掛け合わせ、終始コミカルでテンポよく読ませてくれる一冊でした。掲示板の雰囲気やカリンのトンデモ行動など、笑いどころがぎっしり詰まっています。下品寄りのネタやネットのノリが苦手な人には好みが分かれるかもしれませんが、気軽に笑えるエンタメを探している人には自信を持っておすすめできます。

このトンデモお嬢様がこの先どうなっていくのか、続きが楽しみでしょうがありません。配信ものを敬遠している人ほど、この1巻で一度、いい意味で裏切られてみてください。

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