『ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー』(1巻)感想・レビュー
「ゲーム好き」のズレが連鎖する、勘違い錯綜の青春ラブコメ

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★★★★★★★★★★4.5 / 5

「ゲームが好き」という共通点が、必ずしも同じ楽しみ方にはつながらない――。『ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー』(1巻)は、葵せきなさんによる富士見ファンタジア文庫のラブコメ(イラスト:仙人掌さん/2015年刊行)。ぼっちゲーマーの雨野景太が、学園一の美少女・天道花憐からゲーム部に誘われるところから物語は始まりますが、ゲームへの価値観のすれ違いから話は思わぬ方向へ転がっていきます。勘違いと食い違いが次々に連鎖していく、テンポのよい青春ラブコメです。

総合評価 ★4.5|「ゲームが好き」という共通点がかえってすれ違いを生んでいく、勘違い錯綜の青春ラブコメ。ガチ勢とエンジョイ勢の価値観のズレを軸に、テンポのよい掛け合いでサクサク読める一冊です。

目次

『ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー』はどんな作品?

『ゲーマーズ!』は、ゲーム好きでぼっちな高校生・雨野景太を主人公にした青春ラブコメです。ひとりでマイペースにゲームを楽しんでいた景太は、ある日、学園一の美少女でゲーム部部長の天道花憐から「私に付き合って、ゲーム部に入ってみない?」と声をかけられます。華やかなゲーム部での青春が始まる――かと思いきや、ゲームへの向き合い方をめぐる小さなすれ違いから、景太は勧誘を断ってしまいます。そこから登場人物それぞれの勘違いが連鎖していく、ゲームへの価値観のズレを軸にした勘違い錯綜のラブコメです。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニューからどうぞ。

向いている人

ジャンル問わずゲームが好きな人

ガチ勢でもエンジョイ勢でも、ゲームが好きという気持ちに覚えがある人ほど刺さります。ゲームを巡るあるあるが随所にちりばめられていて、自分の体験を重ねながら読めます。

ラブコメや会話のテンポを楽しみたい人

派手な事件よりも、軽快な掛け合いと勘違いの連鎖で読ませるタイプです。テンポの良い会話劇が好きな人にすっと馴染みます。

勘違い・すれ違いが連鎖する人間関係コメディが好きな人

登場人物それぞれの思い込みが噛み合わないことで、状況がどんどんこじれていきます。そのすれ違いそのものを楽しめる人にこそ向いています。

アニメを見て原作も気になったタイプの人

アニメ化もされた作品なので、映像から入って原作の空気を確かめたい人にもおすすめです。原作ならではのテンポを味わえます。

ゲームを巡る価値観の違いに共感できる人

ガチ勢とエンジョイ勢、分かり合えているようでズレている――そんなゲーマー同士の温度差が丁寧に描かれていて、思わず頷ける場面が多いはずです。

合わないかもしれない人

勘違い・すれ違い展開がストレスになりやすい人

この作品の面白さは、噛み合わないやり取りの連鎖にあります。そこがもどかしく感じてしまう人には、少ししんどい可能性があります。

シリアスや一直線な恋愛展開を求める人

重厚なドラマやまっすぐ進む恋愛よりも、コメディとしての軽さが前に出ています。じっくりした恋愛模様を期待すると方向性が違うかもしれません。

ゲーム要素は背景程度でいいと思っている人

ゲームへの愛着や価値観そのものが物語の軸になっています。ゲームの話題が多めなのが合わないと、入り込みにくいかもしれません。

登場人物同士の会話量が多い作品が苦手な人

掛け合いと心の声で進む場面が多いため、会話やモノローグの多い構成が苦手な人には、やや密度が高く感じられそうです。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

『ゲーマーズ!』を手に取ったのは、アニメをきっかけに原作も読んでみたくなったからでした。ゲーム好きの主人公とヒロインを中心に据えながら、「ゲームが好き」という共通点が、必ずしも同じ楽しみ方につながらないところが丁寧に描かれているのが印象的でした。

特に面白かったのが、エンジョイ勢とガチ勢の温度差です。分かり合えているようで微妙にズレている価値観に、自分自身のゲーム体験を重ねて「あるある」と頷いてしまう場面が多くありました。ゲームというモチーフが、ただの設定ではなく人間関係を動かす軸になっているのが効いています。

人間関係は勘違いとすれ違いで少しややこしくなっていきますが、会話のテンポがよく、全体としてはサクサク読めるのも魅力でした。重厚なドラマというより、気軽に楽しめる青春ラブコメという読み心地で、ゲームもラブコメも好きな人なら肩の力を抜いて楽しめる一冊だと思います。

まとめ

『ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー』(1巻)は、「ゲームが好き」という共通点がかえってすれ違いを生んでいく、勘違い錯綜の青春ラブコメでした。エンジョイ勢とガチ勢の価値観のズレを軸に、勘違いが次々と連鎖していく構成と、テンポのよい掛け合いが大きな魅力です。すれ違い展開が苦手な人やシリアスな恋愛を求める人には向きませんが、ゲームもラブコメも好きで、軽快な会話劇を楽しみたい人にはぴったり。肩の力を抜いてサクサク読める、気軽に手に取れる一冊です。

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