逢沢大介先生『陰の実力者になりたくて!』の第4巻は、2021年2月にKADOKAWAから刊行された新文芸シリーズの一冊です。本巻の舞台はオリアナ王国。ローズとドエム公爵をめぐる不穏な情勢のなか、シドが自分なりの陰の実力者として潜入し、暗躍していきます。シリアスな状況でも我が道を行く傍若無人ぶりと、世界の秘密につながる新設定――その充実度から、シリーズ屈指と呼びたくなる読みどころが詰まっています。
総合評価 ★4.5|オリアナ王国への潜入劇とシドの傍若無人な陰の実力者プレイが冴える、シリーズ屈指の満足度。世界の秘密に関わる新設定も見え、続きが気になる巻です。
『陰の実力者になりたくて! 04』はどんな作品?
『陰の実力者になりたくて! 04』は、オリアナ王国を舞台に、ローズとドエム公爵を巡る情勢の中で、シドが自分なりの陰の実力者らしい立ち回りをしていく巻です。
戦争の気配が濃く、国の事情や陰謀が絡むため土台だけ見るとかなり重たい状況ですが、その中でもシドの独特な行動によって重くなりすぎずに読ませてくれます。潜入劇の面白さ、陰の実力者プレイならではの見せ場、今後につながる新しい設定がうまくまとまった一冊で、物語がまた一段広がった印象があります。
発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、陰の実力者になりたくて! 04からどうぞ。向いている人
潜入ものや裏で動く主人公が好きな人
4巻はオリアナ王国での潜入シーンがしっかり見どころになっています。正面から突き進むだけではなく、裏側から場を動かしていく展開が好きな人には合いやすいと思います。
強い主人公が好き放題に動く面白さを楽しみたい人
シドの傍若無人ぶりは今回も健在で、シリアスな状況の中でも独特の気持ちよさがあります。主人公が場の空気を自分のものにしていくような面白さを求める人にはかなり向いています。
陰の実力者ムーブをしっかり見たい人
今回はまさに、オリアナ王国という舞台でシドが自分の理想の動きをしていく巻でした。この作品ならではの振る舞いを楽しみたい人には満足度が高いと思います。
バトルの見せ場が欲しい人
潜入だけで終わらず、戦いの場面でもこの作品らしい気持ちよさがあります。強い主人公が見せ場を作る展開を楽しみたい人にも向いています。
シリーズの設定が広がっていく感覚を味わいたい人
4巻ではこの世界の秘密につながるような新しい要素も見えてきます。単発で楽しめるだけでなく、続きが気になる巻を読みたい人にも合うと思います。
アニメから原作に入った人
中盤あたりにはアニメ1期1話に関わる話も入っていて、アニメから入った人には特に楽しい巻だと思います。あの部分がここでつながるのかと感じられるのも魅力でした。
合わないかもしれない人
主人公の陰の実力者ムーブ自体が苦手な人
ここは4巻でも変わりません。作品の中心がシドの独特なこだわりにあるので、そこが合わないと楽しみにくいと思います。
シリアス一辺倒のファンタジーを求める人
背景には重たい事情や不穏な展開がありますが、読み味としてはやはりシドの独特なノリが強く出ています。重厚な政治劇や緊張感だけを求める人には少し違うかもしれません。
主人公が追い詰められる熱戦を重視する人
シドがかなり強いため、戦いは接戦のヒリつきよりも、圧倒的な側がどう場を支配するかの面白さが前に出ています。
作品のノリより細かい理屈を重視する人
本作は設定の面白さもありますが、それ以上にシドのノリを楽しめるかどうかが大きいです。そこに乗れないと魅力を感じにくいかもしれません。
感想・見どころ
※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。
『陰の実力者になりたくて! 04』の見どころは、やはりオリアナ王国での潜入と、そこで展開される陰の実力者プレイのバトルでした。
まず印象に残ったのは潜入シーンの面白さです。4巻は舞台がオリアナ王国に移り、全体に戦争の気配や不穏さが漂っているのですが、その中でシドがいつも通り自分の理想を優先して動くので、緊張感一辺倒にならず、この作品らしい読み味になっていました。シドの傍若無人ぶりは読んでいてかなり楽しく、普通ならもっと重たく描かれそうな状況でも、彼がいることで空気が大きく変わります。
バトル面でも4巻は満足度が高かったです。オリアナ王国での陰の実力者プレイはシドのこだわりがよく出ていて、ただ強いだけでなく、どう見せるかまで含めて楽しんでいるのが伝わってきます。見せ場を作る強者としての面白さが、この巻でもかなり魅力的でした。
また、単なるイベント巻で終わらず、この世界の秘密につながる新しい設定が見えてくるのも良かったです。この要素が次巻以降でどう生きるのかがかなり気になり、シリーズものとして先を楽しみにさせてくれる巻でした。
個人的に印象に残ったのは、アニメ1期1話にあたる話が中盤あたりで入っているところです。アニメから入った人にとっては、ここが原作でどう扱われているのかを見られるのも楽しいポイントで、すでに知っている場面でも原作の流れの中で読むとまた違った面白さがありました。
全体として4巻は、潜入劇の楽しさ、陰の実力者ムーブの気持ちよさ、今後につながる設定の面白さがしっかり詰まった巻でした。背景には重たい話がありながらも読後感はそこまで重くならず、むしろこのシリーズらしい楽しさが残ります。個人的にはシリーズの中でも特に好きな巻で、強く印象に残る一冊になりました。
まとめ
『陰の実力者になりたくて!』4巻は、オリアナ王国の潜入劇とシドの陰の実力者プレイ、そして今後につながる新設定が詰まったシリーズ屈指の巻でした。戦争の気配が漂う重たい背景でも、シドがいることで読後感は軽快なまま。重厚な政治劇だけを求める人には趣が異なりますが、シリーズを追ってきた方には特におすすめできます。次巻への期待が大きく膨らむ、満足度の高い一冊です。
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