後方支援に徹する万能職「後衛」のアリヒトが、仲間とともに迷宮国を駆け上がっていくシリーズ第3巻です。秘神アリアドネの力をさらに強化し、いよいよ第七区へと足を踏み入れたアリヒトたち。とーわによるカドカワBOOKSの異世界転生探索ファンタジーの続刊にあたります。
順風満帆に思えた探索ですが、彼らの前に立ちはだかったのは魔物ではなく、同じく上を目指す探索者たちでした。前巻から続く装備やスキルの吟味、レベルアップまわりの細かな作り込みも引き続き楽しめる一冊です。
総合評価 ★3.5|細かな設定と駆け引きをかみしめて楽しむ巻。シリーズの厚みが増し、次巻も気になる読後感です。
『世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~』はどんな作品?
元社畜のアリヒトが異世界で就いた職業は、攻撃・防御の支援から回復までこなす万能職「後衛」。前線で戦うのではなく仲間を後ろから支えることで力を発揮し、迷宮国の探索者として序列を駆け上がっていくシリーズです。3巻ではついに第七区へと足を踏み入れたアリヒトたちが、秘神アリアドネの力を強化しながら探索を進めるなか、魔物とは違う新たな壁に直面します。
発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 3からどうぞ。向いている人
装備やスキルの細かな成長要素を楽しみたい人
この巻でも、レベルアップにともなう要素や、手に入れたものを吟味して使い道を考えるくだり、スキルと装備の噛み合わせを練る場面がしっかり描かれます。キャラクターの成長や準備の過程をじっくり味わいたい人には、こうした細部が心地よく刺さります。
探索者同士の駆け引きも見たい人
第七区では、立ちはだかるのが魔物だけではありません。上の番区を目指す探索者たちの思惑が絡んでくることで、迷宮攻略とはまた違った緊張感が生まれます。人と人とのぶつかり合いも含めて物語を楽しみたい人に向いています。
シリーズを順に追いかけたい人
巻を重ねるごとに、アリヒトたちの立ち位置や世界の仕組みが少しずつ広がっていきます。1巻からの積み重ねを踏まえて、彼らがどう番区を駆け上がっていくのかを見守りたい人にぴったりの一冊です。
合わないかもしれない人
派手な戦闘や大きな山場を強く求める人
本巻は派手な見せ場というより、設定の作り込みや探索者同士の駆け引きをかみしめて楽しむ巻という印象です。分かりやすい大きな山場や爽快なバトルを強く期待すると、少し物足りなく感じるかもしれません。
1巻を読まずに本巻から入りたい人
3巻は世界観も人間関係も1巻から地続きで進んでいきます。設定やこれまでの経緯を踏まえて読むほうが楽しめるので、いきなり本巻から読み始めたい人には少し入りにくいかもしれません。
感想・見どころ
※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。
第七区に足を踏み入れてからの新たな展開に、これからどんな物語が広がっていくのだろうと思いながら読み進めていました。テンポも良く、迷宮探索へと移っていく流れに自然と引き込まれます。
そのうえで、この巻でも一番楽しめたのは、前巻から続く細かな設定の作り込みでした。レベルアップにともなう要素や、手に入れたものを吟味して使い道を考えるくだり、スキルと装備の噛み合わせを検討する場面など、こうした細部をじっくり読ませてくれるのがこの作品の魅力だなと改めて感じます。
一方で第七区では、立ちはだかるのが魔物だけではないのも面白いところでした。上の番区を目指す探索者たちの思惑が絡んでくることで、迷宮攻略とはまた違った緊張感が生まれています。人と人とのぶつかり合いが加わることで、物語に新たな彩りが生まれていました。
派手な見せ場というより、設定や駆け引きをかみしめて楽しむ巻という印象でしたが、その分シリーズとしての厚みが増していくのを感じられました。アリヒトたちがこの先どう番区を駆け上がっていくのか、引き続き気になる読後感で、次巻も楽しみにしたいと思います。
まとめ
前巻から続く装備やスキルの吟味、レベルアップまわりの細かな作り込みを存分に楽しめる3巻でした。第七区では魔物だけでなく探索者同士の思惑も絡み、迷宮攻略に人間ドラマの彩りが加わっています。派手な山場というより設定と駆け引きをかみしめる巻ですが、シリーズの厚みが増していくのを感じられました。アリヒトたちの歩みを引き続き見守りたくなる、次巻が気になる一冊です。
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前巻はこちら:世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 2