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『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済み 感想・レビュー
平凡を装う元英雄の静かな強さが気になる現代ダンジョンもの

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『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済みの感想・レビューです。

本作は、現代日本にダンジョンが存在する世界を舞台にした新文芸作品です。

主人公は、かつて高校生の頃に八王子ダンジョンを攻略し、「無刀の英雄」と呼ばれていた藍川英二。
しかし現在は37歳の零細企業サラリーマンとして、平凡を装いながらダンジョン関連の仕事に就いています。

ある日、旧友の姪っ子である中学生・未衣に頼まれたことで、
英二は再びダンジョンの深層へ向かうことになります。
かつて仲間たちと戦った場所は、
今では利権や金儲けの場となり、ダンジョンそのものにも異変が起き始めていました。

現代ダンジョンものとしての楽しさに加えて、
力を隠して生きてきた元英雄が再び動き出す展開が印象に残る一冊でした。

目次

コミカライズ情報

本作は、月刊『ビッグガンガン』でのコミカライズ連載が予定されていました。
ただし同誌の編集部告知によると、この連載は諸般の事情により中止となることが案内されています。
今後の展開については、KADOKAWAからの発表待ちとされています。
コミカライズの情報を探して来られた方は、現時点では公式からの続報を確認するのが確実です。

原作の内容や作品の雰囲気は、このまま下で紹介しています。

『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済みはどんな作品?

『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済みは、現代日本にダンジョンが存在する世界観の作品です。

主人公の藍川英二は、かつて高校生の頃に八王子ダンジョンを攻略した人物です。
しかし、20年後の現在では、その過去を表に出さず、
ダンジョン関係の仕事をしながらサラリーマンとして暮らしています。

物語は、旧友の姪っ子である未衣とともにダンジョンへ潜るところから大きく動き始めます。

ダンジョンはすでに冒険の場というだけではなく、
巨大な利権や国際情勢が絡む一大市場になっており、売名や金儲けのために利用される場所にもなっています。

そんな中で、かつての戦場を荒らされていく現状を見た英二が、
20年間隠していた力を少しずつ見せていく流れが見どころになっています。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、こちらの記事からどうぞ。

向いている人

  • 現代ダンジョンものが好きな人
    本作は、現代日本にダンジョンがある世界観を楽しめる作品です。
    ダンジョンが社会や利権と結びついているため、ただ探索するだけではない雰囲気があります。
  • 力を隠している主人公が好きな人
    主人公は、かつて「無刀の英雄」と呼ばれた人物ですが、
    現在はその過去を隠し、サラリーマンとして過ごしています。
    普段は力を隠している人物が、必要な場面で本来の実力を見せる展開が好きな人には合いやすいです。
  • 若い主人公とは違う落ち着いた主人公を読みたい人
    主人公は37歳の男性で、中高生主人公の勢いとは少し違った魅力があります。
    熱血というより、過去を背負った大人が動き出す雰囲気があり、その落ち着きが作品の個性になっていました。
  • 設定が少しずつ明かされていく作品が好きな人
    ダンジョンの成り立ちや、過去に何があったのか、現在の異変がどう広がっていくのかなど、
    先が気になる要素があります。
    1巻の時点ではまだ謎も多く、今後の展開に期待したくなる作品でした。

合わないかもしれない人

  • 現代ダンジョンものに新鮮さを強く求める人
    近いジャンルの作品を多く読んでいる場合、
    現代日本×ダンジョンという土台自体には見覚えがあるかもしれません。
    ただし、本作は主人公の立場や過去、ダンジョンをめぐる社会的な要素で差別化されている印象です。
  • 若い主人公の成長物語を期待している人
    本作の中心にいるのは、すでに大きな実績を持った37歳の主人公です。
    ゼロから成長していく少年少女の物語を期待すると、少し方向性が違うと感じるかもしれません。
  • 明るく軽いノリだけを求めている人
    ダンジョンが利権や金儲けの場になっている描写や、
    過去の仲間に関わる雰囲気もあるため、軽快なだけの作品ではありません。
    主人公の過去やダンジョンの変化に少し重さを感じる部分もあります。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済みは、
現代ダンジョンものとして読みやすく、主人公の立ち位置に惹かれる作品でした。

直近で似たような現代ダンジョン系の作品を読んでいたため、最初は楽しめるか少し不安もありました。
ただ、実際に読んでみると、設定や主人公の背景が違うだけで、作品の印象はかなり変わるものだと感じました。

本作で特に印象に残ったのは、主人公が37歳のサラリーマンという点です。

中高生の主人公が勢いよく成長していく展開も楽しいですが、
本作の英二はすでに過去に大きな戦いを経験している人物です。
そのため、単純な若さや熱さではなく、過去を背負った大人が必要な場面で動く面白さがあります。

「渋い大人の主人公」と言い切るには少し違うかもしれませんが、若い主人公にはない落ち着きがありました。
普段は平凡なサラリーマンとして振る舞っているからこそ、いざ実力を見せる場面に期待感が生まれます。

また、ダンジョンの扱い方も気になる部分でした。

本作のダンジョンは、ただモンスターがいて探索する場所というだけではありません。
巨大な利権や国際情勢が絡み、売名や金儲けの場にもなっているため、
現代社会にダンジョンが存在したらどうなるのかという部分にも面白さがあります。

かつて仲間たちと命を懸けて戦った場所が、今では別の意味を持つ場所になっている。
その変化に対して英二が何を感じ、どう動いていくのかが、本作の大きな見どころだと思います。

個人的には、今後明かされていきそうな設定にも期待しています。

英二が20年間何を思って力を隠していたのか。
八王子ダンジョンで何があったのか。
現在起きているモンスターの異変や地上への危機が、どのように広がっていくのか。

1巻の時点では、まだ全てが明かされているわけではありません。
だからこそ、ここから物語がどう広がっていくのかが楽しみになる内容でした。

総合すると、『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済みは、
現代ダンジョンものの読みやすさに、元英雄の過去と大人主人公の落ち着いた魅力を加えた作品でした。

似たジャンルの作品が多い中でも、主人公の年齢や立場、
ダンジョンをめぐる社会的な設定によって、しっかり違った味わいがあります。

現代ダンジョンものが好きな人や、
力を隠している大人主人公が活躍する話を読みたい人には、手に取りやすい一冊だと思います。

1巻ではまだ明かされていない部分も多く、
英二の過去やダンジョンの異変が今後どう掘り下げられていくのか気になります。
現代ダンジョンものとしての読みやすさと、
大人主人公ならではの落ち着いた魅力があり、次巻も楽しみにしたくなる一冊でした。

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