後方支援に徹する万能職「後衛」のアリヒトが、仲間とともに迷宮国を駆け上がっていくシリーズ第7巻です。五番区での激しい戦いを経てエリーティアを救い出したものの、その際に受けた呪詛が仲間のテレジアを静かに蝕んでいた——そんな緊張感から今巻の物語は動き出していきます。とーわによるカドカワBOOKSの異世界転生探索ファンタジーの続刊にあたります。
今巻は、テレジアを苦しめる呪詛を解く手がかりを求めての探索が中心となる一冊です。装備や戦力をあらためて整えながら、大きな戦いへ向けて着実に足場を固めていきます。道中でエリーティアの過去や人となりに触れられるのも読みどころで、次巻の決戦へと期待をふくらませてくれます。
総合評価 ★3.0|呪詛を解く鍵を探しながら、装備と戦力を整えて猿侯との決戦へ助走する第7巻。派手な決着よりも、次への準備をていねいに描く、シリーズを追う人向けの一冊です。
『世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~』はどんな作品?
元社畜のアリヒトが異世界で就いた職業は、攻撃や防御の支援から回復までこなす万能職「後衛」。前線で戦うのではなく仲間を後ろから支えることで力を発揮し、迷宮国の探索者として序列を駆け上がっていくシリーズです。7巻では、五番区での激戦でエリーティアを救い出したアリヒトたちが、その戦いで受けた呪詛に苦しむテレジアを救うため、呪いを解く手がかりを探して新たな探索へと乗り出します。仲間を守り、来たる猿侯との決戦に備えて力を蓄えていく巻です。
発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 7からどうぞ。向いている人
仲間や装備を整える積み重ねを楽しみたい人
今巻は探索の合間に装備を見直したり、戦力をあらためて整えたりと、来たる戦いへの準備がていねいに描かれます。キャラクターが少しずつ力を蓄えていく感覚や、その積み重ねをかみしめたい人には、こうした地固めの手触りが心地よく刺さります。
キャラクターの背景が掘り下げられるのを楽しみたい人
今巻はエリーティアの過去や人となりに光が当たる場面があります。仲間の内面や歩んできた道に触れながら物語を追いたい人ほど、彼女への理解が深まっていく展開を楽しめます。
大きな決着へ向けた助走を味わいたい人
猿侯との決戦を前に、状況が一歩ずつ整っていく巻です。派手な山場そのものよりも、次の大一番へ向けて準備が積み上がっていく高揚感を楽しみたい人に向いています。
合わないかもしれない人
1巻を読まずに本巻から入りたい人
7巻は世界観も人間関係も1巻から地続きで進んでいきます。これまでの経緯や仲間との関係を踏まえて読むほうが楽しめるので、いきなり本巻から読み始めたい人には少し入りにくいかもしれません。
一冊で大きな決着がつく展開を期待する人
今巻は次の決戦へ向けて準備を整える色合いが濃く、物語はさらに次へと続いていきます。一冊ごとにきっちり区切りがつく構成を期待する人には、続きが気になる引きがもどかしく感じられるかもしれません。
感想・見どころ
※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。
今巻でまず楽しかったのは、テレジアを蝕む呪詛を解く手がかりを探して動いていく過程でした。仲間のために方々へ相談を重ね、少しずつ道が見えていく展開には、探索ものらしいワクワク感があって、ページをめくる手が進みました。
戦いへの備えとして、装備や戦力をあらためて練り直していく描写も、このシリーズならではの楽しさだなと感じます。手持ちを見直し、来たる戦いに向けて一つずつ準備を整えていく手触りは、地味なようでいて満足感がありました。
そして今巻の印象に残ったのが、エリーティアの掘り下げです。彼女がどんな道を歩んできたのかに触れられることで、これまで以上に思い入れが深まり、仲間としての存在感がぐっと増していくように感じました。
全体としては、大きな決戦へ向けた助走にあたる「準備の巻」という手触りです。今巻で一区切りというよりは、次の巻でどう決着するのかへと気持ちが向かっていく構成で、読み終えたあとは続きが待ち遠しくなりました。
まとめ
テレジアを蝕む呪詛を解く手がかりを求め、装備と戦力を整えながら、猿侯との決戦へ向けて足場を固めていく7巻でした。派手な決着こそ次巻へ持ち越されますが、そのぶん探索や準備の手応え、そしてエリーティアの掘り下げをじっくり味わえる一冊です。ここまで巻を追ってきた人ほど、次の大一番への期待がふくらんでいくのを感じられるはずで、シリーズの続きを見届けたい人におすすめできます。
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前巻はこちら:世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 6