『あそびのかんけい』(1巻)感想・レビュー
彼氏持ちヒロインへの片想いと嘘が絡む、もどかしいボドゲカフェ・ラブコメ

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★★★★★★★★★★4.0 / 5

想いを寄せる相手には、すでに彼氏がいる――。『あそびのかんけい』(1巻)は、葵せきなさんによる富士見ファンタジア文庫のラブコメ(イラスト:深崎暮人さん/2025年刊行)。ボードゲームカフェ『クルマザ』を舞台に、店長代理の常盤孤太郎が、ボードゲームに興味のないギャル店員・小鳥遊みふるへ密かに想いを寄せます。けれど彼女には彼氏がいて、しかも想いを隠すためについた嘘がきっかけで関係はさらに複雑に。まっすぐ進まない恋模様と、嘘と秘密を抱えたままの距離の揺れを楽しむ一冊です。

総合評価 ★4.0|彼氏持ちヒロインへの片想いに、想いを隠すための嘘と各人の秘密が絡む一筋縄ではいかないラブコメ。会話と空気感、ボードゲームカフェの舞台でじっくり読ませる、少しこじれた関係性を楽しみたい人におすすめです。

目次

『あそびのかんけい』はどんな作品?

『あそびのかんけい』は、ボードゲームカフェ『クルマザ』を舞台にしたラブコメです。高校を中退し店長代理として働く生粋のボードゲーム好き・常盤孤太郎が想いを寄せるのは、ボードゲームにまったく興味のないギャルのバイト店員・小鳥遊みふる。けれど彼女には仲の良いイケメン彼氏がいて、孤太郎は気持ちを打ち明けられずにいます。さらに、想いを隠すためについた「好きな人がいる」という嘘がきっかけで、正体を隠して通う女流棋士の常連客まで巻き込んでいきます。それぞれが秘密や本音を抱えたまま、ボードゲームを通じた駆け引きと関係が少しずつ動いていく作品です。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、あそびのかんけいからどうぞ。

向いている人

王道から少し外れたラブコメが好きな人

ヒロインに最初から彼氏がいるという時点で、かなり独特な入り方をする作品です。わかりやすい恋のレースというより、複雑な立ち位置の中で関係がどう変化していくかを楽しめる人に向いています。

もどかしい距離感や会話劇を楽しみたい人

派手な展開で引っ張るというより、会話や空気感の積み重ねで読ませる場面が印象的です。気持ちを隠したままやり取りする、少しこじれた関係が好きな人には刺さりやすいです。

三角関係や秘密のある人間関係が好きな人

単純に誰と誰がくっつくのかだけではなく、それぞれの立場や事情が絡み合っているのがこの作品の面白さです。恋愛感情だけでなく、嘘をついたことによる居心地の悪さや緊張感も見どころになっています。

舞台設定がしっかり活きている作品を読みたい人

ボードゲームカフェという舞台が、きちんと作品の空気づくりに活かされています。会話の距離感や人の集まり方とも相性がよく、普通の学園ラブコメとは少し違う味があります。

軽さだけで終わらないラブコメを読みたい人

全体の読み口はそこまで重すぎませんが、キャラクターの背景や心情にはきちんと陰りがあります。軽妙さの中に少し苦さが混じる作品が好きな人には合いやすいです。

合わないかもしれない人

ヒロインに最初から彼氏がいる展開が苦手な人

この作品の面白さは、その前提の上に成り立っています。ここに強く引っかかる場合は、最初から物語に入り込みにくいかもしれません。

主人公に強い積極性や爽快さを求める人

主人公が一直線に恋愛へ踏み込んでいくタイプではないため、ぐいぐい進むラブコメを期待すると、少しもどかしく感じる可能性があります。

明るく軽快な恋愛コメディだけを求めている人

会話のテンポは軽めでも、内容自体は単純に明るいだけではありません。秘密や嘘を抱えた人間関係が中心なので、読後感はややしっとり寄りです。

わかりやすく整理された恋愛模様が好きな人

関係性の揺れそのものが魅力の作品なので、誰がどう動いてどう決着するのかをシンプルに楽しみたい人とは、少し相性が分かれそうです。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

『あそびのかんけい』1巻は、彼氏持ちのヒロインへの片想いという、かなり独特な立ち位置から始まるラブコメでした。この設定だけでも十分ややこしいのに、主人公が気持ちを隠すために別の相手を好きだと嘘をついてしまうため、恋が素直に進まない理由がしっかり作り込まれています。ただ引き延ばしているのではなく、そう簡単には動けない状況そのものが作品の魅力になっていました。

その微妙な関係性を支えているのが、ボードゲームカフェという舞台です。登場人物同士の距離が近すぎず遠すぎず、こじれた関係を描く場として相性がよく、作品全体の空気にうまく噛み合っていました。読み味としても、王道ラブコメのような一直線の恋愛より、関係のもどかしさや会話ににじむ感情の揺れを楽しむタイプで、派手な展開を求める人より、少しひねった関係性を眺めるのが好きな人にハマりやすいと感じます。

主人公や周囲の人物にもそれぞれ事情があり、ただのラブコメで終わらず、今後どこまで秘密や本音が表に出てくるのかが気になる引きになっています。素直な恋愛ものより、少しこじれた距離感や嘘のある関係性を楽しみたい人にこそ刺さる、普通の学園ラブコメとは違う雰囲気の一冊でした。

まとめ

『あそびのかんけい』(1巻)は、彼氏持ちヒロインへの片想いに嘘と秘密が絡む一筋縄ではいかない関係性を、ボードゲームカフェという舞台でじっくり描いたラブコメでした。派手な事件ではなく、会話や空気感の積み重ねで揺れていく距離感が何よりの魅力です。一直線で爽快な恋愛より、もどかしさやこじれた関係そのものを味わいたい人におすすめ。秘密や本音がこの先どう表に出てくるのか、続きが気になる出発点になっています。

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