『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 05』(5巻)感想・レビュー
怪人ファントム登場、遊び心が光る一冊

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★★★★★★★★★★4.0 / 5

注目されすぎた芳村を世間の目から遠ざけるため、三好が提案したのは「変装した探索者のお助けマン=ファントム」として活動すること——。本人があまり乗り気でないのも含めて、いかにもこの作品らしい——。

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 05』は、之貫紀による新文芸作品(KADOKAWA/2021年刊)で、現代×ダンジョンを描く人気シリーズの第5巻です(イラスト:ttl)。

「目立ちたくない、でも対策すると余計に目立つ」というズレがこれまで以上に強く出る巻。理詰めの現代ダンジョンものを土台に、ファントムという遊び心のある要素が乗って、シリーズの中でも印象に残りやすい一冊です。

総合評価 ★4.0|「目立ちたくないのに対策すると余計に目立つ」ズレが全開のファントム登場回。理詰めの土台に遊び心が乗った、印象に残る一冊です。

目次

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 05』はどんな作品?

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 05』は、ダンジョン攻略が社会の中に深く入り込んだ現代日本を舞台に、元社畜の芳村たちが情報を拾い、整理し、検証しながら進んでいく新文芸作品の第5巻です。

5巻では、記者会見やブートキャンプで注目を集めたDパワーズが、世間の目をかわすために新たな動きを見せます。その中心になるのが、怪人コスチュームに身を包んだ探索者のお助けマン、ファントムです。

ただ、内容は派手な変装ヒーローもの一色ではありません。本作らしく、状況を整理しながら少しずつ動き、その結果として周囲だけがどんどん騒がしくなっていく流れが軸になっています。

1巻から続く「現代社会の中でダンジョンを理詰めで切り開いていく面白さ」に、今回は変装ヒーロー感や世間の注目、ややコミカルな空気が加わった巻という印象でした。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 05からどうぞ。

向いている人

正体を隠した「謎の助っ人」が好きな人

怪人コスチュームで現れる探索者お助けマン「ファントム」が登場します。ピンチに現れる正体不明の助っ人、という要素が好きな人にはかなり刺さりやすいです。

「目立ちたくないのに目立つ」主人公が好きな人

芳村たちは静かにやりたいのに、記者会見やブートキャンプの影響で周囲の熱量だけが上がっていきます。このシリーズ特有の温度差が、5巻でもしっかり面白いです。

現代社会×ダンジョンの世間の目を楽しみたい人

ダンジョン内だけで完結せず、社会の反応や立ち回りまで面白さになっています。「現代日本にダンジョンがあったら」を広い視点で楽しみたい人に向いています。

刺さるシチュエーションが多い巻を読みたい人

変装、助っ人、正体隠し、注目回避、ちょっとしたやらかし感など、刺さる人には刺さる要素がかなり多い巻です。

シリーズの空気はそのままに、新しい味付けを楽しみたい人

基本の面白さは崩さず、今回はファントムという分かりやすいフックが入っています。いつものDジェネシスに、少し違う楽しさが加わった巻を読みたい人におすすめです。

合わないかもしれない人

スローライフを本気で読みたい人

今巻でもスローライフはだいぶ遠いです。芳村の理想は見えているのに、現実はしっかり逆方向へ進みます。

シリーズ一本で一直線に進んでほしい人

変装や世間対策、ややコミカルな味付けも入るので、重め一辺倒の展開を期待すると少し印象が違うかもしれません。

変装ヒーロー系のノリが刺さらない人

ファントム要素はこの巻の見どころのひとつです。ここに乗れないと、好みは分かれやすいと思います。

緊張感だけを最優先したい人

もちろん話は進みますが、今回は好きなシチュエーションの盛り合わせのような楽しさも強めです。常に硬派で張りつめた空気を求めると、やや温度差があるかもしれません。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

第5巻は、怪人・ファントム登場回です。

注目されすぎた芳村を世間の目から遠ざけるため、三好の提案で「変装した探索者のお助けマン」として活動を始める流れがまず面白いです。しかも本人があまり乗り気ではない感じも含めて、かなりこの作品らしい空気でした。

さらに今回は、「目立ちたくない」「でも対策すると余計に目立つ」というズレがかなり強く出ています。そのため、読んでいて自然と「また思わぬ方向に転がっていくのか」と感じつつ、それでも面白く読める巻でした。

全体としては、理詰めの現代ダンジョンものを土台にしつつ、ファントムという遊び心のある要素が入ったことで、シリーズの中でもかなり印象に残りやすい一冊だったと思います。

まとめ

5巻は、注目を集めすぎた芳村を世間の目から遠ざけるため、怪人コスチュームの探索者支援役「ファントム」として動き出す流れが面白い巻です。本人があまり乗り気でない空気も含めて、いかにもこの作品らしい味わいになっています。

「目立ちたくないのに、対策すると余計に目立つ」というズレが強く出るので、また思わぬ方向に転がっていくのを楽しめる人におすすめです。理詰めの土台に遊び心が乗った、シリーズの中でも印象に残りやすい一冊でした。

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