『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 10 小冊子付き特装版』(10巻)感想・レビュー
大きな問題と検証の楽しさが両立する巻

この記事にはアフィリエイト広告を含みます。
★★★★★★★★★★4.5 / 5

核消失の影響で各国の上層部が混乱する一方、世界は表向き平穏を保っていた——。芳村たちは大統領との約束を果たすためダンジョンへ向かい、そこで思わぬ現象に出会っていく——。

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 10 小冊子付き特装版』は、之貫紀による新文芸作品(KADOKAWA/2025年刊)で、現代×ダンジョンを描く人気シリーズの第10巻です(イラスト:ttl)

大きな問題を扱いながらも、ステータス公開やダンジョン内外の通信、ファンタジー金属の性能調査まで重なる情報量の多さが魅力。重い話だけで終わらず「理屈で追っていく楽しさ」が入っているのがやはり強いです。

総合評価 ★4.5|核消失で各国が混乱する大きな問題を扱いつつ、検証や周辺の動きまでちゃんと面白い巻。重さと「理屈で追う楽しさ」が両立する一冊です。

目次

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 10 小冊子付き特装版』はどんな作品?

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 10 小冊子付き特装版』は、核消失の余波で各国が揺れる中、芳村たちが新たな発見や異常事態に向き合っていく10巻です。

今回は国際的な動きや日本政府側の対応など、かなり大きな話が進む一方で、ダンジョンで手に入れたファンタジー金属の性能調査や、ダンつくちゃんに関する少し変わったやり取りもあり、重さ一辺倒では終わりません。

深刻な状況を描きながらも、「次は何が起きるんだろう」と思わせる面白さと、検証や考察を積み重ねていくこのシリーズらしさがよく出ていた巻でした。

また、小冊子付き特装版では、描き下ろしイラストやキャラクター設定集も楽しめます。本編に加えて、作品世界をもう少し深く味わいたい人向けの内容だと思います。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 10 小冊子付き特装版からどうぞ。

向いている人

各国や組織の動きも含めて楽しみたい人

今回は核消失の影響がかなり大きく、個人の冒険だけでなく各国の反応や日本側の対応も見どころです。

情報量の多い巻がむしろ好きな人

10巻もかなりいろいろな話が詰まっていますが、それがこのシリーズの面白さでもあります。

検証や発見の面白さを味わいたい人

ファンタジー金属の性能調査など、読んでいて素直に楽しめる要素もきちんと入っています。

シリアスと軽い面白さの両方を楽しみたい人

重い問題を扱いながらも、ダンつくちゃん関連の話にはこの作品らしいゆるさと可笑しさがありました。

特装版の小冊子にも興味がある人

描き下ろしイラストや設定集も見たいなら、特装版を選ぶ価値はあると思います。

合わないかもしれない人

一冊の中で話をすっきり一本に絞ってほしい人

今回も複数の話題が同時に進むので、一本筋の展開だけを追いたい人には少し散らかって見えるかもしれません。

派手な戦闘や爽快感だけを求めている人

面白さはありますが、今回はそれ以上に状況の変化や各方面の反応が印象に残る巻です。

社会や政府の対応にはあまり興味がない人

日本が情報を持っている側だからこその苦労など、社会寄りの面白さが強めでした。

特装版の付属小冊子に魅力を感じない人

本編だけで満足したいなら通常版でもいいです、設定資料やイラストに興味が薄い場合は特装版の魅力は少し下がると思います。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

10巻を読んでまず感じたのは、大きな問題を扱いながらも、検証や周辺の動きまできちんと面白いところでした。

核消失の影響で各国が混乱しているだけでも十分大きな話なのに、ステータス公開やダンジョン内外の通信、ファンタジー金属の性能調査まで重なってきて、読んでいて「また情報量がすごいな」と思います。ただ、不思議と詰め込みすぎて苦しい感じではなく、むしろ「このシリーズらしい」と思える密度でした。

特に印象に残ったのは、日本側の大変さです。各国の動きももちろん面白いのですが、情報を持っている側だからこそ日本は本当に大変そうで、表向きは平穏でも、水面下ではかなり慌ただしく動いているのが伝わってきました。このあたりは単なる冒険ものではなく、「現代社会にダンジョンがあったらどうなるか」を描く作品らしさがよく出ていたと思います。

その一方で、主人公たちは前巻までの山場を越えたからか、どこか少しのんびりした空気もあって、そこがまた面白かったです。ファンタジー金属の性能を調べている場面などは、危機の最中でもちゃんと楽しそうで、読んでいるこちらもわくわくしました。重い話だけで終わらず、こういう「理屈で追っていく楽しさ」が入っているのがやはり強いです。

そして、あらすじにもあるダンつくちゃんの渋谷デート話は、かなりこの巻らしい場面だったと思います。楽しいし、ちょっとおかしいし、周囲から見るとだいぶ大変そうでもある。深刻な状況の中でこういう話が入ることで、作品全体の空気が少しやわらぎつつ、逆に世界の異常さも際立っていた気がします。

小冊子については、描き下ろしイラストやキャラクター設定集に、興味があるなら十分楽しめる内容だと思います。本編だけでも満足はできますが、シリーズを追ってきた人が「もう少し見たい」と思う部分を補ってくれる特装版でした。

総合すると10巻は、大きな混乱と、このシリーズらしい検証の楽しさ、少しゆるい可笑しさが同時に入った巻でした。毎回「話が多い」と思いつつ、それでもちゃんと面白いのは、この作品の強みだと思います。

まとめ

10巻は、核消失の影響で各国が混乱する大きな問題を扱いながらも、検証や周辺の動きまできちんと面白い巻です。ステータス公開やダンジョン内外の通信、ファンタジー金属の性能調査まで重なる密度の高さが、「このシリーズらしい」と思わせる仕上がりになっていました。

情報を持つ側だからこその日本の大変さが伝わる一方、山場を越えた主人公たちの少しのんびりした空気も同居しているのが本巻の味です。重い話だけで終わらず、理屈で追っていく楽しさが入っているのが強みで、特装版らしい遊び心も楽しめる一冊でした。

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 10 小冊子付き特装版』の購入はこちら

紙書籍/電子書籍はこちら ↓

📚 シリーズの読む順番・全巻まとめはこちら


似た雰囲気の作品はこちら

目次