『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 Side Stories』感想・レビュー
世界を多角的に楽しめるファン向け短編集

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★★★★★★★★★★4.0 / 5

『Dジェネシス』の世界を、いろいろな角度から見せてくれる短編集——。意外性のあるホラー調の話から、やさしさの残る物語まで、一本ごとにちゃんと印象が残る——。

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 Side Stories』は、之貫紀による新文芸作品(KADOKAWA/2024年刊)で、人気シリーズの短編集です(イラスト:ttl)

「ファン向けのおまけ」で終わらず、本編の理解や印象にもつながってくる一冊。派手さはないものの、シリーズを追ってきた人ほど「読んでおいてよかった」と思える内容です。

総合評価 ★4.0|ホラー調からやさしい話まで、一本ごとに印象が残る短編集。本編ともつながり、シリーズを追う人ほど味わいが増すファン向けの一冊です。

目次

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 Side Stories』はどんな作品?

『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 Side Stories』は、『Dジェネシス』の短編8本に加えて、執筆秘話やSS解説も収録されたファン向けの一冊です。

本編を補完するような話だけでなく、少し雰囲気の違う話や、本編とは少し違う角度の広がりを感じさせる内容まで入っていて、短編集としてかなり幅があります。

特に印象に残ったのは、冒頭のホラー調の話です。最初は少し驚きますが、重たすぎる怖さではなく、読みやすいテンポで進むので入りやすかったです。個人的にはこの雰囲気がかなり好きで、続きがあっても読みたいと思える内容でした。

また、猫をめぐる話である「Birds of a Feather」と「黒猫」も印象的でした。やさしい空気がありつつ、短編で終わるのがもったいないと感じるくらいで、こちらも次の話が読みたくなりました。

また、本作は短編集でありながら、単なるおまけ話だけで終わらないのも魅力です。『Dジェネシス』の世界を別の角度から見られるので、本編を追っている人ほど面白さが増す一冊だと感じました。

派手な巻ではありませんが、ファンなら「読んでおいてよかった」と思いやすい内容でした。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 Side Storiesからどうぞ。

向いている人

『Dジェネシス』の世界をもっと楽しみたい人

本編の外側にある小さな出来事や、キャラの違った一面を味わえます。

短編でいろいろな雰囲気を楽しみたい人

ホラー寄りの話もあれば、やさしい話、少し変化球な話もあり、短編集ならではの幅があります。

本編の補足や広がりを感じたい人

単なるおまけではなく、本編につながりそうな話もあって、読後にシリーズ全体が少し広く見えます。

特典SSや裏話も含めて楽しみたい人

執筆秘話やSS解説も入っているので、ファン目線ではかなり満足しやすい内容です。

合わないかもしれない人

本編のような大きな一本筋の展開を期待している人

短編集なので、長編のような盛り上がり方とは少し違います。

シリーズ未読の状態でいきなり入りたい人

単体でも読めなくはないですが、やはり本編を読んでいる方が面白さは伝わりやすいです。

短編よりも本編の続きを最優先で読みたい人

補完や寄り道の楽しさが中心なので、先の展開だけを追いたい人には優先度が下がるかもしれません。

感想・見どころ

※本記事は作品内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。

この短編集で良かったのは、「ファン向けのおまけ」で終わらず、一本ごとにちゃんと印象が残るところでした。

最初のホラー調の話は意外性があって、短編集の入りとしてかなり強いです。びっくりはするものの、怖さを押し出しすぎないので読みやすく、『Dジェネシス』でこういう味も出せるのかと思わされました。

一方で、「Birds of a Feather」や「黒猫」はやさしさが残る話で、短い中でもちゃんと気持ちが動くのが良かったです。特に猫まわりの話は、このまま一話で終えるには惜しいと思うくらいで、続きを期待したくなりました。

また、本作は短編集でありながら、本編とまったく切り離された小話集ではないのも魅力です。読んでいると「これ、本編の理解や印象にも少しつながってきそうだな」と感じる部分があり、シリーズを追っている人ほど面白さが増す一冊だと思いました。

全体としては、本編の緊張感をそのまま引き延ばすというより、『Dジェネシス』の世界をいろいろな角度から見せてくれる短編集、という印象です。

派手な巻ではありませんが、ファンなら「読んでおいてよかった」と思いやすい内容でした。

まとめ

Side Storiesは、「ファン向けのおまけ」で終わらず、一本ごとにちゃんと印象が残る短編集です。意外性のあるホラー調の話が入りとして強く、「Birds of a Feather」や「黒猫」などのやさしさの残る話まで、短い中でもしっかり気持ちが動くのが良かったです。

本編とまったく切り離された小話集ではなく、本編の理解や印象にもつながってくるのが魅力です。派手な巻ではありませんが、『Dジェネシス』の世界を多角的に楽しめる、シリーズを追う人ほど味わいが増すファン向けの一冊でした。

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