『賢者の弟子を名乗る賢者 5』(5巻)感想・レビュー
大陸鉄道で天上廃都へ、駅弁と旅館を味わう列車旅
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★★★★★★★★★★3.0 / 5
※本記事は、前巻までの内容とこの巻の内容に軽く触れています。未読の方はご注意ください。
ソウルハウルの手がかりを求めて、ミラが次に目指すのは天上廃都。目的地までは長い道のりになるため、今回は大陸鉄道での旅です。『賢者の弟子を名乗る賢者 5』は、3階建ての巨大な列車に乗り込んだミラの道中を描くシリーズ第5巻です。
りゅうせんひろつぐさん著、イラストは藤ちょこさん。GCノベルズから2016年に刊行された、「小説家になろう」発の異世界ファンタジーです。
総合評価 ★3|駅街の、観光地のような雰囲気が良かった1冊です。
目次
『賢者の弟子を名乗る賢者 5』はどんな作品?
主人公のミラは、VRMMO『アーク・アース オンライン』で九賢者の一人・召喚士ダンブルフを演じていたプレイヤー。ゲームが現実になった世界で少女の姿になり、「賢者の弟子」を名乗っています。
国王ソロモンの頼みで続く九賢者探しの旅。死霊術士ソウルハウルの手がかりを求めるミラは、大陸を走る鉄道に乗って天上廃都へ向かいます。
流れる景色を眺めながら駅弁を味わい、駅街の旅館に泊まり、旅先で出会う人々と一期一会の時間を過ごす。服飾店の広報に取材されたり、恋人たちの喧嘩をなだめたりと、旅情たっぷりの道中です。そんなミラの近くに、黒ずくめの怪しい男の影が忍び寄ります。
発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、
賢者の弟子を名乗る賢者 5からどうぞ。
向いている人
旅を楽しみたい人
この巻の中心は、大陸鉄道での列車の旅です。乗り物に乗って知らない土地を行く、旅そのものの楽しさを味わいたい人に合います。
旅先での出会いのエピソードが好きな人
列車の相席や旅の途中で知り合う人たちとの交流が、道中のあちこちに挟まります。人との出会いも旅の楽しみ、という人に向いています。
合わないかもしれない人
戦いが続く展開を読みたい人
この巻は、列車の旅や駅街・旅館での過ごし方がじっくり描かれる巻です。戦いや迷宮の攻略が続く展開を求める人には、ゆったりした旅の場面が多く感じられるかもしれません。
見た目と中身のギャップ設定が苦手な人
少女の外見に、老賢者を演じてきたプレイヤーの中身というずれは、この巻でも作品の土台です。
1冊で物語に区切りがつくことを求める人
九賢者を探す旅は巻をまたいで続くので、1冊で完結する話を探している人には向きません。
感想・見どころ
純和風の旅館と駅弁
鉄道の出発を待つあいだ、ミラが駅街で泊まるのは、日本情緒あふれる純和風の旅館・星月荘です。畳張りの大浴場から庭園を望み、浴衣に着替えて、夕食には玉子焼きや大和煮といった和食が並びます。旅館いいなぁ、ご飯も美味しそうだなぁ、と思いながら読みました。
列車に乗り込めば、壁一面が窓のような展望客室で、流れる景色を眺めながら駅弁を広げます。駅構内でどの弁当にするか見て回るところから、列車の旅の楽しみが詰まっています。
若き日のソロモンの話
旅館の大浴場でミラが出会うのは、国王ソロモンに憧れて聖騎士になった女性冒険者アセリア。王になる前からソロモンを知るミラは、今では国王のソロモンにも、地味な戦い方をしていた頃があったことを語って聞かせます。
ソロモンがどういう成長を辿ってきたのかを知れるのが、面白いところです。
旅先で出会う人たち
天上廃都へ向かう途中、ミラは腕の立つ侍と、森の植物を研究する学者の二人組と道連れになります。堅物の侍と、話し出すと止まらない学者。面白い人たちが仲間になったのが、この巻の良かったところです。
帰りの列車では、相席になった恋人たちの喧嘩にも立ち会うことに。熱々なのか冷え冷えなのか、よく分からない二人の様子を、ミラはすぐそばで見守ることになります。
まとめ
『賢者の弟子を名乗る賢者 5』は、大陸鉄道の列車旅を軸に、駅街や旅館、旅先での出会いを楽しみながら、ミラが天上廃都を目指す第5巻です。次の巻も楽しみです。
旅を楽しみたい人に、手に取ってほしい1冊です。
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