『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(3巻)感想・レビュー
警視庁コラボと動き出す大抗争
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★★★★★★★★★★5.0 / 5
※この記事は、1・2巻の内容(カリンがバズで有名になり、2巻で渋谷ダンジョン崩壊を食いとめたこと)と、3巻の公式あらすじの範囲、新しい登場人物の紹介、終盤で物語が次巻へ向かう流れに軽く触れています。抗争の詳しい中身や結末は書いていません。
渋谷ダンジョン崩壊を食いとめ、人気も知名度もいっそう高まったお嬢様系ダンジョン配信者・山田カリン。『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(3巻)では、警視庁との初コラボ、サムライガール配信者・四条光姫との出会い、そして国内最強クラスのクランの策謀と、カリンのまわりが一気に騒がしくなります。赤城大空さんによるガガガ文庫のダンジョン配信コメディ(イラスト:福きつねさん/2024年刊行)の第3巻で、笑いはそのままに、シリアスな展開も本格的に加わる一冊でした。
総合評価 ★5.0|新しい顔ぶれでにぎやかさが増す一方、最強クランの策謀でシリーズに初めて本格的なシリアスが差し込む第3巻。コメント欄と掲示板の笑いも健在で、話そのものの面白さと、次巻への強い引きが光る一冊です。
目次
『お嬢様系底辺ダンジョン配信者』はどんな作品?
本作は、ドレス姿でダンジョン攻略に挑むお嬢様系配信者・山田カリン(16歳)を主人公にしたコメディです。1巻では、配信を切り忘れたまま迷惑系配信者をボコボコにしてしまった一部始終がアホ程バズり、視聴者ゼロの底辺だったカリンは一夜にして伝説の配信者になりました。
第3巻では、渋谷ダンジョン崩壊を食いとめ、いっそう人気と知名度を高めたカリンのもとに、警視庁との初コラボという話が舞い込みます。また、カリンはひょんな流れで大人気のサムライガール配信者・四条光姫と鉢合わせますが、カリンを前にした彼女は明らかに挙動不審。一方で、国内最強クラスのクラン・ブラックタイガーは、ひそかにカリンを陥れようと動いていました。その卑劣なやり口がカリンの逆鱗に触れたとき、避けられない大抗争の幕が上がります。
発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、
【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう 3 けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?からどうぞ。
向いている人
1巻・2巻のノリを気に入って、続きでも笑いたい人
本人だけが大まじめなお嬢様と、それを容赦なくいじる視聴者という構図は、3巻でも健在です。前巻までを楽しく読み終えた人なら、同じ温度感のまま続きへ入っていけます。
コメント欄や掲示板のツッコミで笑いたい人
配信中のコメント欄と、合間に挟まる掲示板回が、カリンのまわりで起きる出来事に次々とツッコミを入れていきます。ネットの実況やまとめスレのノリが好きな人にはたまらない一冊です。
新しい登場人物が加わって、にぎやかになっていく展開が好きな人
この巻では、序盤から登場する神代穂乃花、公式あらすじにも名前のある四条光姫と、カリンとはまったく違うベクトルで濃い人物が加わります。既存のメンバーとの掛け合いも増え、カリンのまわりが一段とにぎやかになります。
笑いだけでなく、物語が大きく動く巻も読みたい人
コメディの土台はそのままに、今回は最強クランの策謀という本格的なシリアスが差し込まれます。笑いながらも「この先どうなるのか」が気になる展開を待っていた人には、まさにうってつけの巻です。
合わないかもしれない人
最初から最後までギャグ一色であってほしい人
本巻は、前巻までよりシリアス寄りの比重が増しています。徹頭徹尾コメディでいてほしい人には、少し重く感じる場面があるかもしれません。
1冊ごとにきれいに区切りがついてほしい人
本巻は次巻へまっすぐつながる終わり方をします。1冊で読後感を完結させたい人は、続きを手元に用意してから読むのがおすすめです。
配信文化やネットのノリが苦手な人
バズやコメント欄、掲示板のノリが物語の下敷きになっています。そうしたネット文化にピンとこないと、笑いどころが伝わりにくいかもしれません。
感想・見どころ
※ここから先は、3巻の内容に軽く触れます(抗争の詳しい中身は伏せています)。
この巻の楽しさは、大きく分けて「新しい顔ぶれが加わったにぎやかさ」「コメント欄と掲示板の笑い」「笑いの奥で動き出す最強クランの策謀」の3つです。笑いの奥でシリアスが存在感を増していく巻ですが、話そのものが面白く、最後のページまで一気に読まされました。
物語は、渋谷の一件のあと初めてのダンジョン配信から始まります。その配信の帰り際、下層でカリンが出会うのが、新キャラの神代穂乃花。カリンより一つ年上の17歳の少女で、ひょんなことからカリンが彼女を鍛えることになります。本人たちが大まじめなほどコメント欄がどんどん引いていく、本作らしい笑いの型がここでも全開で、穂乃花がどう変わっていくのかは、この巻のいちばんの笑いどころでした。
もう一人の新顔が、公式あらすじにも登場する大人気のサムライガール配信者・四条光姫です。凛とした剣士なのに、カリンを前にすると明らかに挙動不審になる。その理由は、ぜひ本で確かめてほしいところです。読み終えるころにはすっかり好きになっていた、いいキャラでした。
そのにぎやかさを支えるのが、やはりコメント欄と掲示板です。カリンのまわりで何かが起きるたびに、視聴者が全力でおびえたり、ツッコんだりする温度差は今回も健在。掲示板回では一連の出来事を振り返る書き込みの言葉選びが毎回うまく、何度も吹き出しました。
そのうえで、本巻の手触りを決めているのはシリアスの比重です。初コラボの相手が警視庁というお堅い舞台だけに、いつもの悪ノリとは違う空気が流れますし、水面下ではブラックタイガーの策謀も進んでいます。笑っている最中も不穏さが消えない、この二重構造が心地よい緊張感になっていました。
そして、その卑劣なやり口がカリンの逆鱗に触れたところで、物語ははっきりと次へ向かって走り出します。まさにこれからというところで幕が下りるので、読み終えた瞬間から続きが気になってしかたがありませんでした。
巻末の書き下ろし「カリンと真冬の学力事情」は、カリンの親友でブレイン役の佐々木真冬とカリンの、タイトルどおり勉強をめぐる短い一編です。本編の緊張感のあとに、二人のいつもの関係にほっと一息つける締めくくりでした。
まとめ
『お嬢様系底辺ダンジョン配信者』3巻は、神代穂乃花・四条光姫という新しい顔ぶれと、最強クランとの抗争の始まりによって、シリーズが大きく動き出す巻でした。
1・2巻のノリが好きな人はもちろん、笑いだけでなく物語の続きも追いかけたくなってきた人ほど、この3巻で「話も面白い」と実感できるはずです。次巻へまっすぐつながる終わり方なので、4巻もあわせて手元に用意しておくのがおすすめです。
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