『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(2巻)感想・レビュー
収益化からダンジョン崩壊まで加速するバズ無双

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★★★★★★★★★★5.0 / 5
『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(2巻)赤城大空(著)/福きつね(イラスト)/小学館・ガガガ文庫 の書影

※この記事は、1巻の内容(カリンがバズって有名になったこと、1巻で付いたあだ名、迷惑系配信者との因縁)と、2巻の公式あらすじの範囲(収益化記念配信・ダンジョン崩壊)、巻末書き下ろしの題材に触れています。2巻の山場の詳しい展開は書いていません。

配信の切り忘れから一夜にして伝説になった、お嬢様系ダンジョン配信者・山田カリン。『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(2巻)では、バズの勢いのままついに収益化を達成した彼女の、にぎやかな日常と配信が描かれます。赤城大空さんによるガガガ文庫のダンジョン配信コメディ(イラスト:福きつねさん/2024年刊行)の続巻で、1巻に引き続き、何度も声を出して笑わされた一冊でした。

総合評価 ★5.0|収益化を果たしたお嬢様配信者の規格外っぷりが、配信のたびに加速していく第2巻。コメント欄と掲示板のツッコミで笑わせつつ、カリンの実力の一端もちらりと見えてくる、1巻のファンなら迷わず読みたい続巻です。

目次

『お嬢様系底辺ダンジョン配信者』はどんな作品?

本作は、ドレス姿でダンジョン攻略に挑むお嬢様系配信者・山田カリン(16歳)を主人公にしたコメディです。1巻では、配信を切り忘れたまま迷惑系配信者をボコボコにしてしまった一部始終がアホ程バズり、視聴者ゼロの底辺だったカリンは一夜にして伝説の配信者になりました。

第2巻では、バズの勢いのまま、カリンがついに収益化を達成します。記念すべき初回の収益化配信に現れたのは、カリンが憧れるキャラクター・セツナお嬢様の“生みの親”である、もちもちたまご先生。一方で、カリンをバズらせるきっかけになった迷惑系配信者・通称ゲロも、虎視眈々とカリンを狙っていました。そして、ダンジョン崩壊をきっかけに、カリンは“フィスト●ァックお嬢様”を超える新たな伝説を生むことになります。

発売日や著者などの作品データを先に確認したい方は、【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう 2 けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?からどうぞ。

向いている人

1巻のノリを気に入って、続きでも笑いたい人

本人だけが大まじめなお嬢様と、それを容赦なくいじる視聴者という1巻の構図はそのままに、雑談配信やダンジョン配信など、配信の種類も増えていきます。1巻を楽しく読み終えた人なら、同じ温度感のまま続きを楽しめます。

コメント欄や掲示板のツッコミで笑いたい人

配信中のコメント欄と、合間に挟まる掲示板回のスレッドが、カリンの行動に次々とツッコミを入れていきます。ネットの実況やまとめスレのノリが好きな人にはたまらない一冊です。

規格外の主人公が周りを置き去りにする痛快さが好きな人

カリン本人は自分の強さをまったく特別だと思っていないのに、まわりから見るとやっていることはどれも規格外。この巻では、笑いだけでなくカリンの実力の一端も少しずつ見えてきます。

笑いの合間に温かいエピソードも欲しい人

収益化記念配信の一場面のように、コメディの合間にふっと温かさを感じさせてくれる場面もあります。作り手とファンのいい関係が見られる話が好きな人にも向いています。

合わないかもしれない人

下品寄りのネタが苦手な人

お嬢様ものですが、笑いは上品一辺倒ではありません。1巻から続く“フィスト●ァックお嬢様”というあだ名をはじめ、下品寄りのネタも遠慮なく飛び出します。

シリアスで緊張感のあるダンジョン攻略を求める人

探索シーンはありますが、ピリピリした緊張感よりもコミカルさが前に出ています。シビアな攻略ものを期待すると、方向性が違って感じられそうです。

配信文化やネットのノリが苦手な人

バズやコメント欄、掲示板のノリが物語の下敷きになっています。そうしたネット文化にピンとこないと、笑いどころが伝わりにくいかもしれません。

感想・見どころ

※ここから先は、2巻の内容に軽く触れます(山場の詳しい展開は伏せています)。

この巻の楽しさは、大きく分けて「配信のたびに広がるカリンの規格外っぷり」「収益化記念配信と憧れの作品の生みの親」「迷惑系配信者の再来とダンジョン崩壊」の3つです。

序盤は、有名になったカリンの新しい日常から始まります。1週間たっても消えない“フィスト●ァックお嬢様”のあだ名に頭を抱えるところから、自宅での雑談配信、ダンジョンでの配信と、配信の種類が増えていきます。そのたびにカリンがさらっと口にすることが、視聴者の常識をことごとく超えていくのがこの巻の笑いの型。本人は大まじめなのに、コメント欄だけがどんどん悲鳴に近くなっていく温度差に、今回も声を出して笑いました。

そのツッコミ役を担うのが、コメント欄と掲示板です。コメントの言葉選びは今回も絶妙で、掲示板回も2回挟まり、配信を見た視聴者たちが好き勝手に考察し、悪ノリしていくスレッドの空気を楽しめます。挿絵のカリンの表情もいちいち可愛く、イラストも含めて笑いのテンポを作っています。

収益化記念配信に、もちもちたまご先生が現れる場面も印象に残りました。憧れの作者の登場に取り乱すカリンには笑わされますが、先生が最後に残した言葉はファンを思いやる温かいもので、原作者とファンのいい関係が伝わる、すてきなエピソードでした。

後半、ゲロが再び動き出してからは、物語のギアが一段上がります。ダンジョン崩壊のなかで“新たな伝説”が生まれる場面は、カリンの規格外っぷりがいちばん振り切れるところ。読みながら「なんでもありだよこのお嬢様」と声に出しそうになりました。どんな伝説なのかは、ぜひ本で確かめてみてください。

巻末の書き下ろし「真冬とカリンのファーストコンタクト」は、タイトルどおり、カリンの親友でブレイン役の佐々木真冬とカリンの出会いを描いた一編です。お笑い要素はほんのり控えめですが、1巻からカリンを支えてきた真冬という人物がぐっと立体的に見えてくる、ファン必見の話でした。

まとめ

『お嬢様系底辺ダンジョン配信者』2巻は、笑いの手数に加えて、収益化記念配信の温かいエピソードや、真冬との出会いを描く書き下ろしといった、この巻ならではの読みどころが詰まった続巻でした。

1巻のノリが気に入った人なら、迷わず手に取ってほしい一冊です。読み終えたときには次の巻へつながる引きもあり、続きが楽しみな作品です。ちなみに、あとがきによると本作の略称は「お嬢様バズ」なのだそうです。

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