ある日突然、日本という国がまるごと異世界へ呼び出されたら、政府は、自衛隊は、そして帆船とワイバーンの世界に生きる国々はどう動くのか。『日本国召喚』は、その問いを外交の席から前線まで国ごとの視点で追いかける国家転移ファンタジーです。読む順番は1巻から刊行順でよく、各巻で起きた出来事が次の巻の国際情勢の前提になっていくので、飛ばさずに追うのがいちばん楽しめます。全7巻の感想レビューと作品データ、既読の方向けのネタバレあらすじをこのページに集めました。
読む順番:1巻 → 2巻 → 3巻 → 4巻 → 5巻 → 6巻 → 7巻の刊行順でOK。刊行状況(2026年9月時点):カドカワBOOKSから7巻まで刊行。1巻から6巻はぽにきゃんBOOKS版を底本とする再発行で、7巻が約6年ぶりの新刊です。上下巻:2巻と3巻は「滅びゆく栄光」の上下巻なので続けて読むのがおすすめです。
目次
読む順番(おすすめ)
基本は1巻から7巻までの巻数順でOKです。外伝や別の時系列から読む巻はなく、刊行順がそのまま物語の順番になっています。
このシリーズは、日本がどの国と国交を結び、どの国と戦ったかが、次の巻の各国の態度を決めていきます。前の巻では脇役だった国や人物が、後の巻で思わぬ立場から戻ってくることも多いので、順番を入れ替えると国どうしの関係が追いにくくなります。1巻から順に読むのがいちばん自然です。
『日本国召喚』シリーズはどんな作品?
ある日、日本は国土ごと異世界へ転移します。周りにあるのは剣と魔法、帆船とワイバーンの国々で、そこには力の強い国が弱い国を従える「列強」の序列がありました。食料や資源を海外に頼っていた日本は、未知の国々と手探りで国交を結びながら、自分たちの常識が通じない戦争にも向き合っていくことになります。
物語は一人の主人公を追うのではなく、日本の政府や外交官、自衛官、そして異世界の王や兵士、商人たちの視点を次々に切り替えて進みます。異世界の人々が日本の技術を初めて目にしたときの驚きや誤解が大きな読みどころで、巻を追うごとに舞台は大陸の外へ広がり、やがて日本と同じように異世界へ現れた軍事大国との対立へつながっていきます。
シリーズはこんな人におすすめ
国家どうしの外交や駆け引きを読みたい人
会議室での交渉、使節団の派遣、同盟や裏切りといった国家間のやり取りに多くのページが割かれています。戦いが始まる前から、どの国がどんな思惑で動いているのかを追いかける面白さがあります。
現代兵器や自衛隊の描写が好きな人
艦艇、航空機、戦車、ミサイルといった装備が、どんな役割で戦いに加わるのかが具体的に描かれます。巻末の用語解説で兵器の諸元まで補われる巻もあり、ミリタリー描写をじっくり味わいたい人に向いています。
異世界の人の目から見た「日本」を楽しみたい人
鉄道や高層ビル、医療や食べ物まで、私たちには当たり前のものが異世界の人々には信じがたい光景として映ります。相手側が少しずつ日本の正体に気づいていく過程は、このシリーズならではの読み味です。
合わないかもしれない人
拮抗した戦いの緊張感を求める人
日本と異世界の国々の間には技術の差がはっきりあり、戦いはどうしても一方的になりがちです。どちらに転ぶかわからない攻防を読みたい人には、物足りなく感じる場面があるかもしれません。
一人の主人公に感情移入して読みたい人
視点人物が章ごとに入れ替わる群像劇なので、特定の主人公の成長や心情をじっくり追う物語ではありません。兵器の数字や専門用語も多く、物語の流れだけを追いたい人には重たく感じられることがあります。
まず気にしておきたい節目巻
1巻から6巻は、ぽにきゃんBOOKSから刊行されていた版を底本に、2026年にカドカワBOOKSから再発行されたものです。旧版をお持ちの方は、重複購入に気をつけてください。
2巻・3巻は「滅びゆく栄光」の上下巻で、列強パーパルディア皇国との対立がこの2冊でひと続きに描かれます。2巻だけで区切らず、3巻まで続けて読むのがおすすめです。
7巻は、カドカワBOOKSで初めて刊行された約6年ぶりの新刊です。旧版で6巻まで読んでいた方は、7巻からがそのまま新しい続きになります。
各巻リンク一覧(作品データ&感想)
各巻の感想レビューと、発売日・あらすじなどの作品データへのリンクです。ネタバレあらすじは既読の方の振り返り用に、初期状態で閉じた折りたたみにしています(クリックで開きます)。
1巻|ある日突然、国ごと異世界へ転移した日本が、手探りの外交と最初の戦争に向き合う導入巻です。(感想レビュー/作品データ)
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正体不明の飛行物体が空を横切った日から、日本とこの世界の国々との出会いが始まります。日本の都市と力を目にした公国の使節団は、敵に回してはならない国だと悟り、両国は国交へ歩み出します。
しかし日本を見誤った隣国が侵攻を始め、日本は憲法の枠をぎりぎりまで解釈し直して派遣を決めます。海でも陸でも、相手は自分たちの常識が通じない現実に向き合うことになります。
戦いの幕引きは、剣でも魔法でもない、いかにも現代日本らしいものでした。その陰では、戦場に立った一人の兵士と、その家族の物語も描かれます。
戦いが終わると、視線は大陸の外へ。より大きな列強の思惑が見え始めたところで、物語は次の巻へ続きます。
2巻|列強パーパルディア皇国の理不尽が日本へ向けられ、対立が決定的になっていく「滅びゆく栄光」の上巻です。(感想レビュー/作品データ)
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列強の懲罰は思わぬ形で阻まれ、皇国は見えない相手の正体を探り始めます。周辺の国々のあいだでは、「ニホン」の名がささやかれるようになっていきます。
皇国に狙われた島国から逃れた王女は、日本の地で祖国の運命を知ることに。北の辺境では、神話に語られる存在をめぐって、日本が小さな部隊を送り出します。
一方、皇国との交渉はある出来事をきっかけに最悪の形で決裂し、日本はついに大きな決断を下します。
支配されてきた人々に小さな希望が灯るなか、怒りに染まった皇国の答えと、その内側で動き出した一人の思惑を残して、次の巻へ。
3巻|占領下の島の解放から皇国本土への反撃までを描く、「滅びゆく栄光」の下巻です。(感想レビュー/作品データ)
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皇国の宣言を受けて、日本は自衛権の発動を正式に表明します。その一方で、エルフの聖地や竜人族の国では、日本の名と神話を結ぶ不思議な手がかりが見つかっていきます。
皇国に支配されてきた土地では、小さな火が各地へ燃え広がっていきます。戦いは皇国の中心にまで及び、追い詰められた国の内側で、ある人物が一族の命を賭けた決断を下します。
開戦の引き金を引いた者にも、もう逃げ場は残されていませんでした。
戦いのあと、世界最強を自負する国と、日本と同じく転移してきたもう一つの帝国が、それぞれのやり方で日本を見定めようとします。物語はさらに広い世界へ。
4巻|先進11カ国会議を舞台に、新たに現れた帝国が世界の均衡を揺さぶり始める第4巻です。(感想レビュー/作品データ)
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世界最強を自負する国の使節団は、日本で技術の差を見せつけられ、日本は大きな国際会議への出席を決めます。同じころ、新たに会議へ招かれる帝国の外交官は、本国の場所さえ明かそうとしません。
かつて日本と戦ったある人物は南方の大国へ渡り、思わぬ素性が浮かび上がります。西の島国には帝国の要求が突きつけられ、竜と暮らす少女も戦場へ飛び立ちます。
会議の場で帝国の代表が席を立ったあと、各国の艦隊は帝国を迎え撃つことに。日本の船もまた、望まない形で戦いの渦中へ巻き込まれていきます。
戦いのあと、帝国が世界に向けて放ったある言葉が、日本の人々の心を大きく揺さぶったところで、次の巻へ。
5巻|世界連合艦隊とグラ・バルカス帝国の大海戦が描かれる、新しい世界大戦の幕開けの巻です。(感想レビュー/作品データ)
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本土への攻撃を受けた大国は世界連合軍の結成を決めますが、日本は参戦を見送ります。その一方で、日本は傷ついた友好国の戦艦を生まれ変わらせて送り届けます。
日本の近海でも、ついに帝国との最初の衝突が起こります。帝国の内部では、日本の本当の力に気づいた一人の技官の訴えが、取り合ってもらえないままでした。
大海戦では空からの攻撃が連合艦隊を襲い、やがて戦場に現れた切り札が流れを大きく変えていきます。海戦は双方に大きな損失を残して終わります。
そして友好国の都市へ迫る帝国の部隊の前に、生まれ変わった戦艦と日本の護衛艦隊が立ちはだかります。帝国が日本という国を本格的に調べ始めたところで、次の巻へ。
6巻|戦いの場が海から陸へ移り、ムー大陸で自衛隊が前線に立つ第6巻です。(感想レビュー/作品データ)
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ムー大陸の海で日本の民間船が襲われ、日本は自衛隊の派遣に踏み切ります。準備が整うまでの時間を稼ぐため、外交官が帝国の出先機関へ乗り込みます。
やがて国境の街に帝国の機甲部隊が押し寄せ、ムーの守りは短い時間で崩れていきます。日本は参戦を前倒しし、部隊が鉄道で前線へ向かいます。
次の街を狙った帝国を待ち受けていたものは、彼らの想定のどこにもありませんでした。その報せは、離れた国々の分析官たちを同じ結論へ近づけていきます。
一方、周囲の制止を振り切って前線を訪れた帝国の皇太子は、日本への怒りを募らせていきます。その車列を祈るような気持ちで迎える者がいたところで、次の巻へ。
7巻|捕らわれた帝国の皇太子が日本を知っていく一方、帝国の大艦隊が日本本土へ迫る、約6年ぶりの新刊です。(感想レビュー/作品データ)
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帝国の最前線基地に連合軍の奇襲がかかり、基地はその日のうちに機能を失います。戦火に巻き込まれたある人物は、身元を伏せたまま日本へ運ばれることになります。
交渉が物別れに終わると、帝国は日本本土への大規模な攻撃へ動き出します。日本の各地を見て回ったその人物は、帝国との差を突きつけられ、ある決意を固めます。
想定を大きく上回る艦隊を前に、日本は兵器の使用に制限をかけないと宣言します。帝国の先遣艦隊は、姿の見えない相手からの攻撃にさらされながら進んでいきます。
損害を受けても帝国の主力は引き返さず、日本へいくつもの方向から攻撃を仕掛けようとします。日本がかつてない試練を前にしたところで、物語は次の巻へ。
最新刊レビューはこちら
最新刊は、約6年ぶりの新刊となる7巻『日本国召喚 七 斜陽の帝国』です。捕らわれた帝国の皇太子が日本という国を知っていく過程と、帝国の大艦隊による日本本土への侵攻が並行して描かれ、戦局が大きく動いたまま次巻へつながります。電子書店によって配信開始日が異なり、BOOK WALKERで先行配信、ほかの書店では2026年10月9日配信予定です(2026年9月時点)。7巻の感想レビューはこちら。
まとめ
『日本国召喚』は、国ごと異世界へ転移した日本が、外交と防衛の両面から未知の世界と向き合っていく国家転移ファンタジーです。国どうしの駆け引きや現代兵器の描写、そして異世界の人々が日本の正体に少しずつ気づいていく過程を楽しみたい人に向いています。逆に、拮抗した戦いや一人の主人公の物語を求めると合わないかもしれません。7巻で物語は新しい局面に入ったところなので、まずは1巻から刊行順に追いかけて、続きの刊行を待つのがおすすめです。
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